プリキュア映画の“偉業” 市場規模が狭い中、なぜ歴代最高ヒットでスタートできた?

市場自体は狭いのに、興行収入は大きな伸び

 プリキュア映画の「公開2日間の興行収入」はこんな感じとなっています(データは筆者調べ。ソースはシネマトゥデイほか)。


 このグラフを見るだけで、いかに今回の数字がものすごいのかが判るかと思います。

 初動2日間の興行収入は、歴代ダントツで1位。前作2018年春に公開された『映画プリキュアスーパースターズ!』が8年ぶりに初動2億円を突破し、歴代最高を記録したかと思いきや、それを大幅に上回り3.5億円を突破しました。

 動員含め、たいだい例年の1.5~2倍の興行成績、といった感じです。

 この数字の何が凄いのかと言うと、同じ子ども向けアニメ映画でも『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『ポケットモンスター』等は幼稚園児だけではなく小学生高学年の男女も視聴対象なのに対し、プリキュアシリーズは通常3~6歳の女児をメインターゲットとしています。そのため市場自体がかなり狭く、大きく興行収入を伸ばすのは難しいと思われていました。

 そんな中で、今作の初動成績、230スクリーン公開で、動員30万9781人、興行収入3億5357万7300円という数字は、例えば2018年春公開の『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ 〜拉麺大乱〜』の355スクリーン、動員31万5000人、興収3億6700万円という数字にひっ迫している数字なのです。公開スクリーン数、対象ターゲット層を考えると、『クレヨンしんちゃん』の映画に迫る成績というのは本当に「ものすごい」ことなのです。

 2018年の主なファミリー向けアニメ映画の初動2日間興行収入は以下の通りです(データは筆者調べ。データのソースは映画.comほか)。

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