『大恋愛~僕を忘れる君と』インタビュー

ムロツヨシが語る、『大恋愛』で掴んだチャンスへの喜び 「あがき続けてきました」

 回を重ねるごとに、注目を集めている『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)。10月19日放送の第2話は、スポーツ中継延長のため放送開始が55分遅れたにも関わらず、初回を上回る視聴率をマークし、初回の無料見逃し配信でも、TBSドラマ歴代最高再生数の153万回を記録している。SNSなどで話題となったのは、戸田恵梨香とムロツヨシが終盤に見せたシーンだった。病を告白した尚(戸田)に、真司(ムロツヨシ)が「病気なんて屁でもない」「俺は、尚と一緒にいたいんだ」と言い切る。現実の悲しさと愛に触れた幸せが入り混じった涙の笑顔は、戸田とムロツヨシが築き上げた関係性があればこそ生まれたものだろう。

「やりすぎかな。でも、ここでは表情を出さないほうがいい、絶対に。でも……」

 古びたアパートの一室で、ムロツヨシが監督と議論をしている。小さなローテーブルを挟んで、向かいに座っているのは戸田恵梨香だ。ここは、金曜ドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君を』の撮影現場。本番に向けて、何度も何度もテストが繰り返される。ムロツヨシは自身が演じる間宮真司が“どんな人間なのか”、“本音はどこにあるのか”を、監督と話し合いながら掘り下げていく。

 この日の撮影スケジュールを終えた、ムロツヨシがインタビューに答えてくれた。“ラブストーリーの名手”である脚本家・大石静が描くオリジナルドラマは、ヒロインの病が進むにつれて波乱に満ちていく。本格恋愛ドラマは初となるムロツヨシは、どのような心持ちで演じているのか。話を聞くうちに、役者・ムロツヨシが挑む大きな山が見えてきた。

「自分がやっていいのかな」


ーー『大恋愛』の台本を初めて読んだとき、“この役、本当に自分が演じていいのだろうか”という感想を抱いたとお聞きしました。

ムロツヨシ:僕を知ってくれている多くの視聴者さんと、僕が僕自身で抱いている“ムロツヨシ”というイメージは、ほぼ変わりがないと思っています。その“ムロツヨシ”が『大恋愛』というドラマをやるんだと思ったとき、客観的に“ムロツヨシがやっていいのかな”って思ったんですよね。ただ、一方で、僕ムロツヨシ本人からすると、19歳から役者をやって、恥ずかしながら努力不足・覚悟不足もあり、いろんなことがうまくいかず、考え方を変えたり、あがき続けてきました。いつかこういうお芝居を求められたらいいな、とは思っていましたので、いろんな人に助けられ、42歳にしてようやくこういうチャンスをもらえたというやりがい、喜びはありますね。

ーーたしかに、コメディのイメージが強かったので、恋愛ドラマに出られると聞いて意外に思った方も多かったかもしれません。

ムロツヨシ:そうですよね。目標は、いくつかあるんです。みなさんが持ってるイメージ通りのことをずっとやっていきたいというのと、みなさんが持っているイメージを裏切る何かを出していきたいなというのと。たまたまひとつの仕事がうまくいったからって、決して長続きしない世界であることは、イヤというほど思い知らされました。お芝居に対しての考え方をいくつか持っていないと。どんな仕事も山に例えられますが、いろんな筋道の考え方を作って上っていかないといけない。“この道を知っているから”って、その山を知っているような気になりますが、まだまだ知らない道はたくさんあるわけです。一度わざと下ったり、あるいは下らざるを得なかったり。そういう意味では、僕は20代のころから今まで、準備する時間はあり過ぎるほどあったので。

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