北川景子「ネットが怖いのではなく、扱う人間の問題」 野木亜紀子脚本『フェイクニュース』に自信

北川景子、野木亜紀子との初タッグに自信

 記者から役作りについての質問が飛ぶと、北川は「これまで取材をしていただいたいろんな記者の方の顔は浮かべたんですけども、やはり野木先生が書かれた脚本の東雲というキャラクターを大切に演じられたらいいのかなと思いました」と回答。そんな野木とかねてから一緒に仕事をしてみたかったという北川は、脚本を読んだときに「もしかしたらちょっと私に当て書いてくださったのかなとか、寄せてくださったのかなと思うことも結構あって」と話す。そんな北川に対して、野木は「最初の頃、光石さんが演じる役が主人公になるアイデアもあったんですけど、今作るならメディアの中の人の方がいいんじゃないかという話になって、今やるなら新聞記者よりもネットメディアの記者の方がいいんじゃないかとなった。それから題材が堅いから女性主人公の方がいいという話になって。プロットの全体像を書いていく流れの途中で北川さんになりました。北川さんに決まったら、どう見ても美人なので“美人記者”になった(笑)」と裏話を披露。すると北川が、「それとテコンドーは……?」と、東雲の特技であるテコンドーについて野木に問いかけると、野木は「なんかいけそうかなと思って(笑)」と返答。そんな野木に北川は「大変苦労いたしました(笑)」と笑顔で返し、会場を盛り上げた。

 最後に北川は、ネットニュースの考え方について、「こういう仕事をしているので、フェイクニュースというものがあることは早くから身を以て知っていました。私自身、非常に慎重な性格で、マスメディアの報道や情報には必ず偏りがあると認識しています。それはネットが流行する前から、新聞、テレビ、週刊誌など、同じ事柄や事件を取り扱っていても、報じるスタンスや切り込む角度がメディアによって必ず異なっている。目にした情報を鵜呑みにしないこと、情報を見比べてみてどこが報じていることが一番真実に近いのか。そういうことを見極める目を持つことが大切なのかなとずっと思ってきたので、今回、自分が日頃から感じてきたことが作品を通じて世の中に問題を投げかけられるのがすごくよかった。ネットはソースが何であれ、拡散されるのが早いし移ろいも早いので、しっかり見抜く力を養っていただきたい。ネットが怖いのではなく、扱う人間の問題なんだということは作品のメッセージでもある」と力強いメッセージを残した。

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(取材・文=宮川翔/写真=阿部桜子)

■放送情報
『フェイクニュース』
NHK総合にて、10月20日(土)に前編、27日(土)に後編を21:00~21:49に放送
作:野木亜紀子
音楽:牛尾憲輔
出演:北川景子、光石研、永山絢斗、矢本悠馬/新井浩文、岩松了、杉本哲太
演出:前編=堀切園健太郎、後編=佐々木善春
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:北野拓
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/dodra/fakenews/

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