樹木希林さん死去に黒木華、松岡茉優らが追悼コメント 是枝裕和監督「神々しくさえありました」

 樹木さんが主演を務め、初めてカンヌ国際映画祭に参加した映画『あん』の河瀬直美監督は、「樹木希林さんは、監督の伝えたいことを瞬時に理解し、具現化できる真の俳優でした。最後まで女優を演じ続ける姿勢。その潔さと儚さを、今、かみしめています」とコメントし、「今年に入って希林さんの事を想う時間が増えて、何度か電話をして直接お話をしました。具合が良くないことがニュースで知らされても、どこまでも元気で毒舌で、変わらない希林さんがそこにいました。希林さんはそうして私たちの前から弱ってゆく自分の肉体を想像できなくさせ、いつまでもあの元気な笑顔のままで私たちの中に永遠を創り上げたかったのだと、悟りました。あなたは、最期まで女優でした」と樹木さんを回想した。

 樹木さんは、18歳の時に文学座付属演劇研究所に入り、「悠木千帆」の名義で女優活動をスタート。1964年のテレビドラマ『七人の孫』(TBS系)のレギュラー出演において一躍人気を獲得した。文学座を退団した後も『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』『ムー一族』(全てTBS系)といったコメディドラマで存在感を発揮し、お茶の間にもその名前は浸透した。

 1977年に番組のオークションコーナーで、自身の名義であった「悠木千帆」をオークションにかけ、自らを「樹木希林」と改名後も女優として活躍。また、『ムー』『ムー一族』で共演した郷ひろみとのデュエットで、「林檎殺人事件」といったヒット曲も出した。

 近年では、映画を中心に活動し、『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』『わが母の記』で、主人公の母親役として日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。『歩いても 歩いても』『悪人』では日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞するなど、演技派女優としての地位を確固たるものとした。また、『あん』や『万引き家族』では、カンヌ国際映画祭に参加するなど海外でも出演作品は評価された。数多くの作品で名演を残してきた女優の不在を惜しまずにはいられない。

(文=編集部)

■公開情報
『⽇⽇是好⽇』
10月13日(土)シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国ロードショー
脚本・監督:⼤森⽴嗣
出演:黒木華、多部未華子、樹木希林、鶴⾒⾠吾、鶴田真由、山下美月
原作:森下典子『⽇⽇是好⽇ 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫刊)
製作幹事:ハピネット、ヨアケ
配給:東京テアトル、ヨアケ
(c)2018「⽇⽇是好⽇」製作委員会
公式サイト:http://www.nichinichimovie.jp/

関連記事