『未来のミライ』星野源が演じるのは“現代のおとうさん像” 音楽活動にも通じる家族を巡るテーマ性

 細田監督は、劇場パンフレットのインタビューで「血やDNAの力で家族と家族として『つながる』んじゃなく、ちゃんと努力して、要するにアイデンティティを自分の中で確かめた上で関係性が生まれるはず」と語っている。血がつながっているからといって、簡単に“家族”になれるわけではない。歩み寄り、互いに違いや欠点を認めたうえで理解しようとする努力が必要なのだ。これは、星野源がドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の主題歌「Family Song」で歌っていたことでもある。「Family Song」で、星野源は自身の視点から今の時代に適した新しい家族の形を歌い上げた。細田守と星野源は、『未来のミライ』を通して、“家族”というテーマの深いところでも共鳴していたのかもしれない。

(文=若田悠希)

■公開情報
『未来のミライ』
全国東宝系にて公開中
声の出演:上白石萌歌、黒木華、星野源、麻生久美子、吉原光夫、宮崎美子、役所広司、福山雅治
監督・脚本・原作:細田守
作画監督:青山浩行、秦綾子
美術監督:大森崇、高松洋平
音楽:高木正勝
オープニングテーマ・エンディングテーマ:山下達郎
企画・制作:スタジオ地図
配給:東宝
(c)2018 スタジオ地図
公式サイト:http://mirai-no-mirai.jp/

関連記事