『おっさんずラブ』28歳若手Pが語る、大反響の裏側 「テーマは“働く今どきの男女の恋愛観”」

“過去の名作恋愛ドラマがやっていたこと”は全部やりたい

ーーネットを中心とした大きな盛り上がりの要因のひとつとして、InstagramやTwitterなどSNSの活用も挙げられますね。

貴島:番組を立ち上げた当初は、まさかInstagramのアカウントを2つも作るとは思ってもいなかったです。宣伝チームのスタッフの発案で、面白そうだからやってみよう!と。実際にやってみたらとても楽しかったです。第4話の放送直後に“武蔵の部屋”で、春田にフラれてへこんでいる黒澤部長が傷心写真をアップしたんですが、翌朝までにいいね!が5万以上、コメントが1000件近くついていて。しかもほとんどのコメントが、フラれた部長への温かい励ましの言葉で。みんなめちゃくちゃ優しいなぁ……と感動しました。SNSを通して視聴者とつながって“対話”をする経験は、時代の新しさを感じるとともに、嬉しい発見でした。

ーー貴島さんのお父さんは『愛していると言ってくれ』(1995)や『青い鳥』(1997)など、これまで数々のヒットドラマを手がけたきたTBSの名プロデューサー・貴島誠一郎さんですよね。ドラマのプロデューサーになりたいと思ったのはお父さんがきっかけだったんですか?

貴島:実は全然違うんです……(笑)。学生時代からドラマが大好きで、特に2004年~2006年ごろに放送されていた『花より男子』(TBS系)や『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)や大河ドラマ『新選組!』(NHK)などを観て、「いつかドラマの仕事をしたい」と夢を持つようになって。

ーーそうなんですね。『おっさんずラブ』連ドラ化を知ったお父さんはどういう反応だったんですか?

貴島:普通に驚いていました! 他局のライバルでもあるので、連ドラ化のことも情報解禁日まで伝えていなくて……(笑)。基本的に、お互い今何の仕事をしているかなど、情報交換も一切しないようにしています! 今はこういう取材でも必ず父親のことを聞かれてしまいますが、いつか本当に“自分の仕事”の話だけで、きちんと注目していただけるよう、頑張って成長していきたいと思います。

ーーこれからも期待しています。では最後に、最終回に向けてメッセージを。

貴島:衝撃的の展開の連続……だと思います。ただ、“王道の恋愛ドラマ”と銘打ったからには、「過去の名作恋愛ドラマだったら、ここまでやっていた」ということは全部やりたいと思って作ったので、ご期待いただければと思います。ダメ男である春田が、「好き」や「愛」に向き合って、きちんと答えを出していくさまを、その相手が誰なのかも含めて見守っていただければと思います。

(取材・文・写真=宮川翔)

■放送情報
土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:15〜放送
出演:田中圭、林遣都、吉田鋼太郎、内田理央、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉、眞島秀和、大塚寧々ほか
脚本:徳尾浩司
音楽:河野伸
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、神馬由季(アズバーズ) 、松野千鶴子(アズバーズ)
演出:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/ossanslove/

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