ディーン・フジオカ、吐息の演技が妙 『モンテ・クリスト伯』最後に勝つのは“愛”なのか?

 幸男、神楽、そして入間の3人に復讐を下すためなら、周りの人間がどんなに不幸になっても気にも留めなかった真海でも、すみれには心をかき乱されてしまう。怒りや憎しみという感情は熱しやすいが冷めやすが、計画が進むに連れて真海の中で同時に虚しさも生まれているように感じるのは気のせいだろうか。すみれからの変わらぬ愛を確信した真海もとい暖が、クライマックスまで復讐心を燃やし続けるかが怪しくなってきた。

 ところで、序盤でモンテ・クリスト・真海(ディーン・フジオカ)が眺めていた絵画は、ピーテル・パウル・ルーベンスによる「キリストの割礼」だった。ルーベンスは、『フランダースの犬』でネロが最期に見た絵を手掛けたことでよく知られている画家。『新約聖書』のルカによる福音書には、降誕から8日後に割礼を受けた幼子が、イエスと名付けられたと書かれている。奇しくも次回は第8話。ディーンに名付けられるのは、暖だろか真海だろうか。

(文=阿部桜子)

■放送情報
木曜劇場『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:ディーン・フジオカ、大倉忠義、山本美月、高杉真宙、葉山奨之、岸井ゆきの、渋川清彦、桜井ユキ、三浦誠己、新井浩文、田中泯、風吹ジュン、木下ほうか、山口紗弥加、伊武雅刀、稲森いずみ、高橋克典
原作:アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』
脚本:黒岩勉
プロデュース:太田大、荒井俊雄
演出:西谷弘、野田悠介、永山耕三
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/MONTE

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