実は女性キャラがすごい『モンテ・クリスト伯』 新井浩文&山本美月の副音声も話題

『モンテ・クリスト伯』女性キャラがすごい

 愛梨も留美も自身に眠るトラウマを1人の男で癒やしているが、もう1人男性に希望を見出す女性がいる。父・入間公平(高橋克典)からの抑圧により息苦しく生きてきた未蘭(岸井ゆきの)だ。幼いころに母を亡くし、箱入りとして育てられたおとぎ話の世界を生きているような未蘭は、自分で見つけた唯一の光・守尾信一朗(高杉真宙)までをも父から遠ざけられてしまった。公平の束縛は愛情ゆえだと理解はできるのだが、彼女にとってはあまりにも窮屈すぎる。縛られた人生を歩んできた彼女は、たとえ信一朗と一緒にいても、いつも寂しそうな笑顔を見せているのが心苦しい。

 信一朗と父の意外な関係性を入手した彼女は、今後真海の駒と化すのだろう。幸男への復讐が幕を開けた今、ラスボスは入間公平のような予感がする。未蘭には、悪魔こと血の繋がらない母・瑛理奈(山口紗弥加)の魔の手が伸びようとしていることも忘れてはならない。少し脱線するが、第6話は全体的に光と影の演出が巧みで、特に瑛理奈が息子と家で話しているシーンの演出の緻密さは何度も確認してしまうほど素晴らしかった。

 愛梨以外の女性キャラクターは、瑛理奈は息子を、未蘭は信一朗を、留美は安堂をと、それぞれ守るべきものを抱えている。真海の復讐劇がメインの筋ではあるが、女性たちの背景と闘いが物語をおもしろくさせているのではと感じる。

 さて、堅い話はここまでにして、「本編の話が入ってこない」と話題の新井と山本美月の副音声についても触れておこう。数々のドラマで副音声企画がなされてきたが、重厚なストーリーの裏で繰り広げられる新井と山本の軽快なトークは、緊張しきった心臓を緩ませてくれた。山本はキャストをポケモンに置き換えていたが、そのセレクトが秀逸で、暖はリザードン、真海になったらブラックリザードンと答えていたのには思わず声が出た。

 残念ながら新井によるTwitter実況がなかった第6話だったが、今回の副音声は大成功。「副音声やる回間違えた」と新井は言っていたが、これからもキャストたちがおもしろおかしく本作を語ってくれないか期待してしまう。

(文=阿部桜子)

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■放送情報
木曜劇場『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:ディーン・フジオカ、大倉忠義、山本美月、高杉真宙、葉山奨之、岸井ゆきの、渋川清彦、桜井ユキ、三浦誠己、新井浩文、田中泯、風吹ジュン、木下ほうか、山口紗弥加、伊武雅刀、稲森いずみ、高橋克典
原作:アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』
脚本:黒岩勉
プロデュース:太田大、荒井俊雄
演出:西谷弘、野田悠介、永山耕三
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/MONTE-CRISTO/index.html

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