金髪バンドマン役に挑んだ岡田将生、「僕は結構きれいに生きてきた人間なので」と役との違い語る

 島ぜんぶでおーきな祭 第10回沖縄国際映画祭の会場となっている沖縄・テンブスホールで4月22日、映画『家族のはなし』の初上映が行われ、上映前の舞台挨拶に岡田将生、成海璃子、時任三郎、鉄拳、山本剛義監督が登壇した。

 鉄拳のパラパラ漫画を実写化した本作は、家族の大切さと、親子の不器用な愛を描いた人間ドラマ。上京して入学した大学を退学し、バンド活動に明け暮れている主人公・小林拓也を演じた岡田は、山本監督から最初の一言があったあと、しばらく無言のまま、「あっ、僕? どっちなんだろうと思って……」とすっとぼけた様子を見せながら、「どうでしたかね? 大丈夫でしたか? 僕自身も家族のあり方を考えさせてもらえると思ったので、たくさんの方々にいろんなことを感じていただけたらうれしいなと思ってやらせていただきました」と話し、初上映となった沖縄国際映画祭で作品を鑑賞した観客にメッセージを送った。

 世界中で評価されている原作のパラパラ漫画を手がけた鉄拳は、実写映画化について「僕のパラパラ漫画は、皆さんに短い時間でわかりやすくお伝えするために、結構ベタで単純なストーリーが多いんですよ。それを1時間以上の実写で映画化すると一体どうなるんだと心配したんですけど、完成した作品を観て、やってよかったなとうれしかったです。出演者のみなさんとスタッフの皆さんには感謝しかありません」と感慨深い様子。そんな鉄拳の原作パラパラ漫画を実写映画化することになった山本監督は、「なるべくリアルに、日本のどこかにこういう話があるんだろうなというのを、お客さんに観て感じてもらえれば」とその思いを語った。

 役作りについて問われた岡田は、「最後に向けての気持ちの作り方もそうですし、親に対しての素直になれない気持ちは僕自身もあったことなので、共感しながら。時任さんとは、お芝居のときは本当に目を合わせられくて、どうしてもお母さん(財前直見)を見てしまったり。そういうことって普段もあるというか、男と男って結構ある。僕自身も2人きりの空間になるとシーンとなっちゃって、とぼけた感じでトイレに行ったりします」と自身との共通点を語る。一方、演じやすかったかどうかについては答えに躊躇しながら、「(拓也は)金髪ですし、僕は結構きれいに生きてきた人間なので(笑)」と話し、会場を笑わせた。

 拓也の地元の幼なじみであるあすかを演じた成海は、役柄との共通点について「男らしいところ」と回答。続けて「軽トラが結構似合っていたんじゃないかと自分でも思います」と自身の出演シーンをアピールした。

 撮影現場の雰囲気は和気あいあいとしていたようで、岡田が「フィギュアスケートとかをみんなで観ていましたよね。カットがかかるとすぐにテレビを観る」と明かすと、時任も「ボリュームを小さくしようという意識がなかった」と同意。そんな撮影現場を原作者の鉄拳が訪れたことがあったそうだが、岡田は「鉄拳さんが来るって知ってたんですけど、素顔で来られていたんで本当にビックリして」と、誰だか分からなかったというエピソードを披露し、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

(取材・文=宮川翔/写真=阿部桜子)

■公開情報
『家族のはなし』
2018年公開
出演:岡田将生、成海璃子、財前直見、時任三郎
原作:鉄拳
監督:山本剛義
脚本:青塚美穂
配給:KATSU-do
(c)『家族のはなし』 製作委員会
公式サイト:http://kazokunohanashi.official-movie.com/

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