馬場徹、週末ドラマに欠かせない存在に 『陸王』に続き『99.9』で魅せる熱い演技魂

 大変な評判であった前クールの『陸王』に引き続き、同枠である日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士-SEASONⅡ』(TBS系、以下『99.9』)に出演中の馬場徹。2016年に放送されたシーズン1に続く本作でも落合陽平という奇妙なキャラクターひょうひょうと演じ、その少々イタくも快活な姿が見る者に大きなインパクトを与えている。

 「陸王」という“マラソン足袋”なるものを製作し、マラソンシューズ業界に殴り込みをかける人々の姿をアツく描いた『陸王』。老舗足袋業者「こはぜ屋」社長・宮沢を演じる役所広司を筆頭に、登場人物の誰もがアツければ、そのストーリー展開もアツい。まさに“アツい尽くし”のドラマであったが、その中でも出色なのが馬場演じる大橋というキャラクターだった。「こはぜ屋」の業績不振に対し、銀行の融資担当である彼の態度は冷ややか。しかも彼の前任者である坂本(風間俊介)は、穏やかで笑顔の絶えない好人物だ。物腰やわらかな風間の演技とは対極的な、トゲのあるキャラ立ちで馬場はドラマの展開を引き締めた。大小高低を巧みに操る、滑舌良く通りのいい声は聴き心地が良く、作品の顔である役所に、まくし立てるように迫るセリフ回しは美しくすらあった。

 一方『99.9』では、松本潤演じる主人公・深山と同じ斑目法律事務所の弁護士・落合として、『陸王』から一転してコミカルな演技を披露。木村文乃演じる尾崎へのイタいアプローチで、視聴者の苦笑を誘う。大橋役が展開を締める役割であったのに対し、こちらは場を和ませるポジションとして機能し、出演シーンは少ないながらも登場すれば確実に余韻を残すのだ。大仰な身振りやセリフが特徴的なこの手のキャラクターでも、悪目立ちすることもなく自然と画面におさまり、シーンのアクセントとなるその演技の巧みさには、誰もが思わず見惚れてしまうだろう。

 今クールは『オー・マイ・ジャンプ! ~少年ジャンプが地球を救う~』(テレビ東京系)にも出演している彼だが、その“アツさ”はやはり変わらない。伊藤淳史演じる主人公・月山のライバルとして登場し、マンガのキャラクター然とした仕草やクサいセリフ回しまでを難なくこなし、役にリアリティを与えている。

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