王子様キャラの中島健人&クールな知念侑李 『みせコド』真逆のイケメン像が生んだもの

 さらに『未成年だけどコドモじゃない』で注目したいのは、中島と知念が共演したことで生まれた“メリハリ”だ。中島の演技は全てにおいて全力。香琳が割った皿の音でトラウマがよみがえり動転するシーンも、五十鈴に香琳の居場所を示唆されてハッとするシーンも、体・表情・セリフを発する声・呼吸をフル稼働させて演技している。一方、知念の演技は至ってクール。尚に激高するシーンであっても声に冷静さがあり、落ち着いて見えた。二人が同じシーンに登場する回数は多くなく、物語の終盤に数回ある程度だ。しかしその数回は、ストーリーがちょうど盛り上がる場面であり、二人の演技の温度差が物語全体のメリハリへとつながっているように感じた。

 年末年始、ぜひ劇場で二人の演技を堪能してみてはどうだろうか。ちなみに高嶋政宏演じる香琳の父親の親バカっぷりと、シルビア・グラブ&村上新悟の『真田丸』組の演技もいい味を出している。多様な楽しみ方が散りばめられている『未成年だけどコドモじゃない』、おすすめだ。

(文=高橋梓)

■公開情報
『未成年だけどコドモじゃない』
公開中
監督:英勉
出演:中島健人(Sexy Zone)、平祐奈、知念侑李(Hey! Say! JUMP)
脚本:保木本佳子
原作:水波風南『未成年だけどコドモじゃない』(Sho-Comiフラワーコミックス刊)
配給:東宝
(c)2017 「みせコド」製作委員会 (c)2012 水波風南/小学館
公式サイト:misekodo.jp

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