東出昌大、福士蒼汰、工藤阿須加……2017年、“怪演”で注目を集めたイケメン俳優たち
工藤阿須加
工藤阿須加は、『明日の約束』(関西テレビ、フジテレビ系)で従来のイメージ通りである“良い人”を演じていたが、物語の後半では突然声を荒げながら憎悪に満ちた表情を見せて、視聴者を恐怖に陥れた。恋人である井上真央の髪をつかんで迫り、憎悪に充ちた表情を向ける姿には、鬼気迫る迫力があった。以前、麦倉正樹氏が語っていたように(工藤阿須加、ドラマ引っ張りだこの理由は“ピュアさ”にあり 地上波ドラマ4クール連続出演へ)、“ピュア”なイメージがある工藤は、『偽装の夫婦』(日本テレビ系)、『家売るオンナ』(日本テレビ系)をはじめ、ある人物から影響を受けて変化していく役を演じてきた。今回、『明日の約束』では登場シーンが限られていたが、爆発するような豹変ぶりを高い熱量で演じきり、説得力のある人物像に仕上げていたのはさすがだ。
今回、挙げた3人に共通するのは、一般的には“爽やかな好青年”のイメージが定着していた、ということ。彼らのような人物が、突然豹変してしまうこと。人は見た目で判断することができないという事実を突きつけられることに、我々は恐怖を感じるのかもしれない。SNSで話題となることがヒットドラマの条件のひとつとなりつつある昨今、彼らのように視聴者に強いインパクトを与えられる役者は今後、物語のキーパーソンとして重宝されるに違いない。
2018年も、東出は月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)のメインキャストのひとりとして出演、福士は『曇天に笑う』『旅猫リポート』『BLEACH』と主演3作を控え、工藤も地上波ドラマ4クール連続出演が決定している。続く作品ではどんな表情を見せてくれるのか、恐ろしくもあり、楽しみでもある。
(文=大和田茉椰)