綾瀬はるかと西島秀俊は“理想の夫婦”になれるのか? 『奥様は、取り扱い注意』第9話レビュー

 勇輝と結婚した理由について「初めての一目惚れだったの」と語る菜美に、小雪は「一目惚れってことは、理屈じゃないでしょ? あんたは直感的に、一番欲しいものを選択したってこと」と警鐘を鳴らす。続けて「あんたはそれを、その人が与えてくれると思ったから、ほれたのよ」と、菜美が勇輝に求めていることは、安定した普通の生活ではなく、刺激ある非日常的な人生であることを指摘する。そう、これまで何の仕事をしているのか、どういう人物なのかが明かされず、曖昧に描かれてきた勇輝だったが、ついにエピソード09でグレーから完全なる黒になった。だが、この結果はある意味では、菜美が求めていたものであり、そして視聴者もまた求めていた展開である。

 夫婦という関係について優里は「いがみ合ったり、怒鳴り合ったり、たまにはだまし合ったりするけど、結局は、それを許して、離れずにいられる存在」と言っていた。京子は「理想の夫婦って、どんなことが起きても、離れられなくなっちゃった二人のこと」と表現している。そんな二人の話を聞いて菜美は「理想の夫婦を目指す」ことを決心。

 次回でいよいよ最終回を迎えるが、互いに嘘をつき、嘘をつかれてきた菜美、優里、京子たち夫婦は、互いのことを許し合うことができるのだろうか。マタイによる福音書7章7節に、「求めよ、そうすれば、与えられるであろう」という言葉があるように、本当に彼女たちが“理想の夫婦”を求めるのなら、どんなことが起きても離れられない夫婦になれるに違いない。

(文=戸塚安友奈)

 

■放送情報
『奥様は、取り扱い注意』
日本テレビ系にて毎週水曜夜10時~
出演:綾瀬はるか、広末涼子、本田翼、中尾明慶、銀粉蝶、石黒賢、西島秀俊
原案・脚本:金城一紀
演出:猪股隆一ほか
(c)日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/okusama/

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