『過保護のカホコ』“ばあば”が最期に望んだ家族の笑顔 高畑充希と竹内涼真は新たな家庭を築くか?
『過保護のカホコ』(日本テレビ系)は、加穂子(高畑充希)の母親である泉(黒木瞳)の実家の並木家、父親である正高(時任三郎)の実家の根元家、2つの家族を巡り描かれていく。はっきり言ってしまえば、両家共にトラブルメイカーだらけだ。イト(久保田紗友)の勘当、環(中島ひろ子)と衛(佐藤二朗)の離婚問題。様々な家庭問題が起きる中で、並木家を一人支えてきたのは泉の母、初代(三田佳子)だった。「ばあば」の愛称で愛された彼女が、第9話にて息を引き取る。初代が死に際に望んだのは、愛する家族の笑顔、そして加穂子と初(竹内涼真)が並木家を守るということだった。
初代は常に全てを見透かしたように物事を捉えていた。加穂子が並木家に初めて初を連れてきた時も、彼の誠実さに気づき、受け入れていた。人は最期を迎える時、大切な人に「ありがとう」と「ごめんね」の感謝を伝える。三姉妹の内、一番厳しくあたったのが泉。その反動で、加穂子を過保護に愛しすぎた。それが真意だった。「大事なのは、その愛に自由があるかどうかよ。加穂子から考えることを奪わないで」。自立し、初と新たな生活を歩もうと進む加穂子を拒み続ける今の泉にとっては染み入る言葉であったに違いない。
加穂子と共に初代に会いに来た初は、並木家のみんなが笑う“素っ晴らしい”絵を彼女に見せる。すぐさま自分を受け入れてくれた初代は、初にとって家族の温かさを教えてくれた人でもある。絵の中で笑う並木家の人々がその証拠だ。「これからは人間が必死に生きている姿とか、大切な人を愛する姿を描いていきたいと思ってます」。そう伝える初に、初代は「これはダメね。だって、あなたがいないじゃない。初くん、うちの家族になって、加穂子のこと守ってあげてね」と優しく語りかける。
初代がお姑から貰い大切にしてきた指輪を、加穂子に授けたことも意味を持っている。「これからはあなたがこの家と家族を守ってちょうだい。加穂子なら大丈夫よ。誰よりもうちの家族のことを愛しているじゃない」。必死に家族の問題に奮闘してきた加穂子には、いつも相手を思いやる気持ちがあった。それに気づいていた初代は、自分が果たしてきた役目を加穂子へと引き継いだのだ。