『僕たちがやりました』水川あさみの“裏の顔”が明らかに コメディタッチから一転した第6話

 真犯人と名乗る男の出現で、無罪放免。無事に釈放されたパイセン(今野浩喜)。トビオ(窪田正孝)たちは久しぶりに全員で顔を合わせ、逃亡生活中の悶着を忘れ去り、カラオケや卓球など“そこそこな幸せ”を楽しむ日常に戻るのだ。しかしそんなお気楽なままではいかないのが、このフジテレビ系火9ドラマ『僕たちがやりました』の持ち味だ。

 闇社会のドン・輪島宗十郎(古田新太)の顧問弁護士である西塚(板尾創路)から協力の礼を受け取る、トビオたちの担任教師である菜摘(水川あさみ)。22日に放送された第6話では、これまでトビオたちの理解者であった彼女の裏の顔が明らかになりはじめる。

 菜摘にデートに誘われ、トビオたちに自慢げにその様子を別室でモニタリングさせるパイセン。しかし、隠しカメラも無線マイクもすぐに気付かれてしまう。さらに彼女は、パイセンを誘い出した理由を語りはじめる。それは、輪島への復讐を果たすこと。パイセンの父親が、闇社会を牛耳る輪島だということが発覚するのだ。

 原作には登場しないオリジナルのキャラクターである菜摘は、爆破事件の前夜にパイセンの姿を目撃するが、警察にそれを隠し続ける。また、トビオを心配する蓮子を支えて後押しする言葉をかけたり、矢波高の教師(彼の盗撮した映像によって、パイセンは窮地に立たされるが)への疑念を、夜な夜な学校に忍び込んだトビオに語るなど、味方のように描かれていた彼女だが、やはり裏があったというわけだ。

 これは、水川あさみという女優の特性を活かしきったキャラクターではないだろうか。際立って華やかではないが落ち着いた魅力があり、人当たりの良い雰囲気を漂わせる彼女は、かねてからこういった二面性のあるキャラクターをよく演じてきたのだ。

 遡ればデビュー作となった映画『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』で演じたヤン・レイリーの頃から、すでにその片鱗を見せつける。さらに、3年前の主演映画『太陽の坐る場所』では、華やかなクラスメイトによって立場を失ってしまうかつての学園の女王を演じ、木村文乃と好対照の役柄を好演。同じ年に公開された映画『バイロケーション』では、自らドッペルゲンガーを演じる難役をこなしてきたのだ。

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