向井理で引っ張りまくった『やすらぎの郷』、批判もエンターテイメントに昇華する凄さ
ずいぶん前に描かれた濃野佐志美のエピソードが、後になってこんな形で回収されたり、また現実に起こっている出来事と組み合わされ、現代のテレビ業界全体への批判も入っている。それなのに、ちょっと下世話で、堅苦しくもなく、話の続きが気になって仕方がない。その作りを見ているだけで、私などが偉そうに言うのも恐縮であるが、倉本聰の技術が伝わってくる。
シノは6月29日の放送でやっとやすらぎの郷にやってきたが、まだ『散れない桜』がどうなるのかは描かれていない。しかし、納得できて、かつちょっとせつないこのエピソードの結末が近いうちに描かれるに違いない。
■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。
■放送情報
『やすらぎの郷』
テレビ朝日にて、毎週月〜金曜日 12:30〜12:50放送
出演:石坂浩二、浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、草刈民代、五月みどり、常盤貴子、名高達男、野際陽子、藤竜也、風吹ジュン、松岡茉優、ミッキー・カーチス、八千草薫、山本圭
作:倉本聰
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/yasuraginosato/