『インサイド・ヘッド』は最深部のヒューマンドラマだーー夢いっぱいに描かれる“脳内世界”に脱帽

 それはさておき、たとえばインドでは人間の感情は“ラサ”と呼ばれる9つに分類されている。これはインド映画には欠かすことのできないもので、1本の映画にこの9つの要素をすべて入れることが原則であるというのだ。つまり人の感情をすべて入れたインド映画は人間の縮図なのであり、同じようにこの『インサイド・ヘッド』もひとりの人間の縮図なのであるわけで、ファンタジーというよりは最深部のヒューマンドラマということだ。そう考えると、素直にライリーが主人公として見るのが正解なのかもしれない。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■番組情報
『インサイド・ヘッド』
日本テレビ系にて、6月16日(金)21:00~22:54(2カ国語)
監督:ピート・ドクター
製作総指揮:ジョン・ラセター
脚本:ピート・ドクター 、メグ・レフォーヴ 、ジョシュ・クーリー
音楽:マイケル・ジアッキノ
声の出演:エイミー・ポーラー 、フィリス・スミス 、ルイス・ブラック 、ミンディ・カリング 、ビル・ヘイダー 、ケイトリン・ディアス 、カイル・マクラクラン 、ダイアン・レイン 、リチャード・カインド
原題:「INSIDE OUT」/2015年/アメリカ
メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Disney/Pixar

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