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『ひよっこ』第10週で描かれた、有村架純と“東京の姉妹”の関係 和久井映見の言葉の温かみ

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 NHK連続テレビ小説『ひよっこ』では現在、奥茨城から東京に舞台を移し、谷田部みね子(有村架純)が働く向島電機の宿舎・乙女寮での生活を中心に描いている。第10週「谷田部みね子ワン、入ります」は、乙女寮で暮らす人々の優しさや強さが色濃く現れた。特に、みね子とともに寮に残った、青天目澄子(松本穂香)と永井愛子(和久井映見)の2人との関係性は、心に深く残るものがあった。

 澄子は、福島県出身の15歳。のんびりした性格からか、仕事や生活面は澄子よりちょっとだけ優秀なみね子が、“お姉ちゃん”としていつも澄子を見守っていた。次の就職先として決まっていた石鹸工場へは、みね子か澄子のどちらかしか採用できないと告げられてしまい、「こんな可愛い妹をおしのけて行けるわけないでしょ」と、みね子は“お姉ちゃん”として、「また、会える」と澄子を送り出すのだった。別れ際に見せた澄子の満面の笑みが、彼女にとってのみね子の存在を表していた。

 澄子がみね子の妹ならば、愛子はみね子にとっての“東京のお姉ちゃん”だ。公式サイトのインタビュー(連続テレビ小説「ひよっこ」|NHKオンライン)にあるように、「“バタバタ”というより、“パタパタ”」という表現が愛子を表すうえで満点の言葉だろう。彼女には婚約者を戦争で亡くし、今も独身という背景がある。みね子たちよりずっと年上で、人生の重みを知っている愛子は、乙女寮の女子達に微笑みながら、上を向くように、笑顔を振りまいてきた。「辛いけど、下を向くのはやめよう。あなたたちはね。みんな、しっかり働ける子だよ。ちゃんと頑張った。それを誇りに思おう」。向島電機の倒産を受け、落ち込む女子達に投げかけたこのセリフは、愛子だからこそ語りかけることのできる強い言葉だ。

 年の瀬の乙女寮。みね子は、愛子がこれから再就職先を探し始めることを知り、自分のことしか見えていなかった情けなさと、彼女の寛大な愛情に気づくのだった。愛子は、何かとみね子に対して、困らせるような投げかけをすることがあった。かつて、「東京の……あら、なんだろ、みね子さん?」という問いかけに、みね子は困惑しながらも「……お姉さんです」と答えていたこともあった。しかし、それから時が経ち2人しかいない乙女寮で、みね子が「愛子さん、お姉ちゃんみたいだなって。お母さん代わりじゃなくって、東京のお姉ちゃんだなって」と呟く。前夜、寝ているみね子に「こんな娘がいてもおかしくないんだよね」と話しかけていた愛子。年の離れた愛子を、お母さんではなく“お姉ちゃん”というみね子の言葉には、これから愛子には他人のためではなく、自分のために生きて欲しいという思いが込められていたように思えてならない。

      

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