ジェレミー・トーマスインタビュー

「木村拓哉さんは次世代の三船敏郎になる」 『無限の住人』プロデューサーが“予言”

映画には“酸素”が必要だ

 

−−あなたはプロデューサーとして監督とはどう接しているのですか。

ジェレミー:作品や監督によって接し方は変わる。例えば、英語が言語の作品であれば、企画から脚本開発、そして監督との対話も綿密にやりとりを重ねる。『戦場のメリークリスマス』のときは、基本的には英語だったということもあり、毎日現場に足を運んでいたよ。でも、本作の場合は言語が日本語だったからね。コメントをすることはあったけど、内容について大きくは踏み込んではいない。それよりも、この作品をいかに多くの人に届けることができるか、それが僕の使命だった。映画には“酸素”が必要だ。作品が観客の元に届くまで、動き出す酸素がね。プロデューサーの仕事は、酸素を作り出し送りこむことだと思う。『無限の住人』は、その仕事を、自信をもってできる作品だったよ。

−−あなたがプロデューサーとして一番大事にしているものは?

ジェレミー:偉大な監督と一緒に仕事ができることはとても光栄なことだ。自分の手がけた作品を観てもらえば分かると思うけど、一番重要視しているのは作品のテイスト。つまり、誰が出ているとか、市場が何を求めているかとか、そういったことは二の次で、監督を務めるのは誰なのか、そして何を描こうとしているのか、この2点で僕は関わる作品を選んでいる。監督なしには素晴らしい作品は生まれない。そしてプロデューサーは監督のことをよく理解しなければいけない。どんなに素晴らしい主題があっても、監督との相性が悪ければいい作品は生まれようがない。作り手のことを理解し、必要な素材と題材を提案すること、それこそがプロデューサーにとって一番大切な仕事だ。それは僕の特技でもあるんだ。

(取材・文=石井達也)

■公開情報
『無限の住人』
全国公開中
出演:木村拓哉、杉咲花、福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香、北村一輝、栗山千明、満島真之介、金子賢、山本陽子、市川海老蔵、田中泯、山崎努
原作:沙村広明「無限の住人」(講談社『アフタヌーン』所載)
監督:三池崇史
脚本:大石哲也
音楽:遠藤浩二
主題歌:MIYAVI「Live to Die Another Day - 存在証明 -」(UNIVERSAL MUSIC)
製作:映画「無限の住人」製作委員会
制作プロダクション:OLM
制作協力:楽映舎、東映京都撮影所
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/mugen/

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