RADWIMPS野田、ミステリアスな世界に馴染むワケ 『100万円の女たち』の演技を考察

 そんな陰りを帯びた道間を、野田はいたってナチュラルに演じている。女たちにすべてを見透かされているかのような彼は、翻弄されるままに、自身の人生を動かされていくのだろう。ミステリアスで、人の内側の淀みに焦点を当てたストーリーは、RADWIMPSの詞世界にも通じるところがある。野田の演技が自然なのは、彼が根底に抱いている世界観と共通する部分が、本作にあるからかもしれない。

 また、本作の音楽にも注目したい。街の空撮から、モダンな音楽に乗せて、道間と女たちの団欒風景を描いた海外ドラマのような冒頭シーンには目を見張るものがある。そして、コトリンゴによるエンディング曲「漂う感情」は、優しい歌声でドラマの世界観に溶け合い、劇中音楽を担当する堤裕介(Yusuke Tsutsumi)、SHINCO(スチャダラパー)は電子音楽とインダストリアルで時に牙を剥く。クリエイター陣も気合い十分だ。

 第2話では常に全裸の白川にスポットが当てられる。5人の女たちの謎が徐々に明らかになっていくにつれ、道間がどのような変貌を遂げるのかが、このドラマの見どころになるのだろう。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

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