忽那汐里が語る、女優としての現在地「居心地のいい環境でやるより、新しいことに挑んでいきたい」

忽那汐里が語る、心境の変化

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ーー『黒衣の刺客』『女が眠る時』『ジ・アウトサイダー(原題)』といった海外作品への出演にも意欲的ですね。日本と海外作品で違いを感じることはありますか?

忽那:もともと異国の人と生活することに慣れていたので、そこに新鮮味や抵抗感みたいなものはないですし、製作過程も日本の作品と大きく変わらないと感じました。『ジ・アウトサイダー(原題)』の現場では、監督の演出に戸惑うこともありました。監督のスタイルもあると思いますが、同じシーンでもとにかく多くのバリエーションを求められました。単純に演技に強弱をつけるのではなく、キャラやシーンの根底を覆す新しいアプローチを求めてきます。緊迫しているシーンなのに、おどけてみせるような発想がまずないですからね。とにかく柔軟になろうと意識しました。最初は監督の策略だと思っていたんですよ。けど、途中からどうやらそうではないなと気付きました。とにかく可能性を残して、最後に編集でビシッと決めてくれるんだと思います。そういう違いはあるものの、みんなで同じ方向を見て良い作品を作るためにベストを尽くすのは、日本も海外も変わらないですね。

ーーいろんな国から人が集まると、まとめ上げるのが大変そうです。

忽那:国籍がわかってもそれぞれの文化や暮らし方はわからないですからね。トルコの方と撮影をした時はなかなか大変でした。周りにイスラム教の方が多かったのですが、いままでイスラム教の方に触れ合ったことがなかったので、何を大事にしているのかわかりませんでした。表現や思想の違いによって、様々な国の方が集まると衝突は多くなります。でも、その分話し合うので奥深い文化の交流が生まれます。それぞれのエッセンスが自然に映画に落とし込まれていくので、味わい深い作品が生まれるのかもしれません。

ーーハリウッドデビューしたということもあって、今後も挑戦は続きそうですね。

忽那:入り口ができたと思っているので、挑戦は続けていきたいですね。常に自分の居心地のいい環境でやるよりも、新しいことに挑んでいきたいという気持ちが強いです。これからもいろんな作品に挑戦できればと思いますが、まずは『ねこあつめの家』を楽しんでいただきたいですね。

(取材・文=泉夏音/写真=林直幸)

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■公開情報
『ねこあつめの家』
2017年4月8日(土)より新宿武蔵野館ほか全国公開
出演:伊藤淳史、忽那汐里
監督:蔵方政俊
製作総指揮:吉田尚剛
企画・脚本:永森裕二
原案:ねこあつめ(Hit-Point)
企画・配給:AMGエンタテインメント
(c)2017 Hit-Point/『映画ねこあつめ』製作委員会
公式サイト:nekoatsume-movie.com

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