草なぎ剛×藤木直人が最後に見せた笑顔の輝き 『嘘の戦争』最終回を振り返る
晃は嘘によって消された罪を、新たな嘘によって罰されることを選んだのだ。晃、隆、楓、興三の子供たちである彼らもまた、嘘によって翻弄され、自身の責任とは違うところでその罪を背負わされた。その一方で、浩一の嘘によって彼らは結びつき、絆を深め、自身のついた嘘に決着を付けることができたとも言える。嘘は罪を生むだけのものではない、時には人を救うものにもなり得る。浩一以上に、嘘の様々な一面を見せてくれたのが、彼ら3人だったと言える。
浩一は隆を空港に呼び出し、機密データを渡す。隆の「いつまで嘘をつき続けるんだ」という問いに対し、「嘘のない奴なんていない。でも、嘘もつき続ければひとつは本物になるかもしれない。だから俺は嘘が嘘じゃなくなるその日までつき続ける」と浩一は返す。浩一が言うように、人は嘘なしでは生きられない。嘘は人を傷つける凶器にもなるが、嘘によって救われることもある。第1話から騙し騙し合い、好敵手でもあり、“親友”とも呼べるような関係性を築いたふたりが、最後に見せた笑顔。この“本当の”笑顔のために、これまでのすべての嘘があったのかもしれない。
(文=石井達也)
■番組情報
『嘘の戦争』
フジテレビ系 毎週火曜夜9時
出演:草なぎ剛、藤木直人、水原希子、菊池風磨、マギー、大杉漣、山本美月、安田顕、市村正親ほか
脚本:後藤法子
演出・プロデューサー:三宅喜重
制作著作:カンテレ
公式サイト:http://www.ktv.jp/uso/index.html