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中村蒼、正統派イケメンならではの笑い 『刑事ダンス』独自のアプローチを読む

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 島崎遥香が主演を務める『警視庁 ナシゴレン課』や、柄本佑が主演を務める『コック警部の晩餐会』など、一風変わった刑事ドラマが数多く放送された今期。その中でも『土曜ドラマ24 潜入捜査アイドル・刑事ダンス』は、芸能界のお約束とタブーを面白おかしく描く、今一番“攻めている”刑事ドラマだと言えるだろう。その面白さは、ドラマ内でアイドルグループを演じる、中村蒼を含む5人のメンバーの相性の良さに依るところが大きい。最終回目前にして急展開を見せているこのドラマを、改めて考察したい。

テレ東だからできる異色のドラマ

 『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』は、警視庁特殊芸能課に配属された刑事・辰屋すみれ(中村蒼)が、芸能界で起きる様々な事件の潜入捜査をするため、上司の指令により嫌々ながらアイドル・タツヤとして活躍する物語。吉光全(片岡鶴太郎)主演のドラマ「漢!刑事泣き虫」に感銘を受けて刑事になったという辰屋は、元詐欺師のユーヤ(大東駿介)、コミュ障で元引きこもりのネット民ショウ(横浜流星)、元子役のテル(森永悠希)、明るく能天気なD(立花裕大)の5人で、潜入捜査アイドルグループ「デカダンス」を結成。最初は芸能界のしきたりと衝突しながらも、数々の事件を解決するごとになぜか人気が急上昇し、アイドルとしての自覚も芽生えてくる。

 実際の番組やタレントをパロディとして登場させているところは、本作の見どころのひとつだ。例えば、”内容変えてもタイトル変えるな”というテレビの鉄則を紹介しつつ、原型を留めていない番組として、限りなく「某相談所」に近い番組を登場させたり、某タレントの不倫騒動を思わせるシーンがあったりと、かなり大胆な演出も見られる。素人同然のタツヤらをひな段芸人がフォローしたり、それを大物司会者がうまく料理したりと、バラエティ番組そのものがリアルに再現されているのが面白い。ドッキリ番組では、元子役のテルならではの過剰なリアクションがつまらなく空回りし、ダイジェストで放送されてしまったりと、バラエティ番組の“あるある”を鋭く捉えている印象だ。

 一方、本作ではテレビ番組のダークな一面も描かれる。清純派だったアイドルが不倫騒動でネットが炎上、復活したもの再び悪い噂が流れる様子や、ニュースをズバッと解説してくれるような番組が編集によって盗撮騒動を過剰に演出したり、芸能界の大物を敵に回して圧力をかけられたりと、普通のテレビ番組ではなかなか描かれない“裏側”も垣間見せてくれる。

 こうした作風は、テレビ東京のドラマ班とバラエティ班の混成チームが手がけていているからこそ生まれたものだろう。特に、バラエティ番組の名手として知られる佐久間宣行プロデューサーの手腕に依るところが大きいはずだ。彼が手がける『ゴッドタン』は、バラエティ番組の“お約束”の向こう側を見せてくれる番組として人気を博した。劇団ひとりらが美女にキスを迫られ、即興の演技で対応する「キス我慢選手権」は、映画になるほどファンが多く、バラエティとドラマの垣根を越えた作品としても知られる。その手法は、今作でも十分に活かされているといえるだろう。

      

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