新垣結衣 × 星野源『逃げ恥』ワールドの住民から目が離せない! 最終回に向けて見どころ徹底検証

 

沼田の判断は?

 平匡と共に働く沼田(古田新太)は、ゲイという社会的マイノリティな存在ゆえに、平匡に多くの気付きをくれた。平匡に淡い想いを抱きつつも、よき相談相手となってきたのだが、9話では会社から命じられたリストラ候補に平匡を選出するという衝撃的な行動に。これにはどういった意味が込められているのか。まさか沼田に限って考えがないわけではないだろう、と勘ぐってしまう。みくりと平匡が、お互いを手放したくない唯一無二の存在だと確信できたように、職場の人間関係においても、他の誰でもなく自分であることの意味が見出されるのか。現代の会社と従業員との繋がりを、どのように描いていくのか見ものだ。

 他にも、「専業主婦は誰からも褒められない」と話していた、みくりの親友“やっさん”こと田中安恵(真野恵里菜)のシングルマザーとしての生き方も気になるところ。10話の予告では、みくりと共に仕事をするような新展開が垣間見えたが、果たして……。

 また、比較的若い世代の価値観にも理解のあるみくりの両親、昔ながらの価値観を大切に孫の誕生を待つ平匡の両親は、契約婚に気づくのだろうか。そして、百合の部下である梅原(成田凌)の熱視線も意味ありげだが、発展はあるのか。同じく部下の堀内(山賀琴子)のは? 平匡の同僚である日野(藤井隆)は? バーのマスターである山さん(古舘寛治)は?

 どのキャラクターも完璧ではなく、“わかるなぁ”と共感したり、“どうするの?”とヤキモキしたりできるのが、『逃げ恥』の楽しいところ。自分が今、どの人物とリンクするのか。毎回、発見があるから、その気づきをSNSでつぶやきたくなったり、誰かと話したくなる。だからこそ、このドラマは、リアルタイムで見たくなるのだ。ああ、こんな楽しみが間もなく終わってしまうなんて……今は、まだ考えたくない。やがてくる『逃げ恥』ロスから、逃げられるうちは逃げておこう。

(文=佐藤結衣)

■番組情報
『逃げるは恥だが役に立つ』
毎週火曜日よる10時〜
製作著作:TBS
原作:海野つなみ「逃げるは恥だが役に立つ」(講談社“Kiss”にて連載中)
脚本:野木亜紀子
出演:新垣結衣、星野源、石田ゆり子、藤井隆、真野恵里菜、葉山奨之、古田新太、宇梶剛士、富田靖子ほか
プロデューサー:那須田淳、峠田浩、宮﨑真佐子
演出:金子文紀、土井裕泰、石井康晴
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/NIGEHAJI_tbs/

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