『弁護人』が浮き彫りにする時代精神の変化ーー35年前の韓国、国家保安法は今どう映るか?

『弁護人』が浮き彫りにする時代精神の変化ーー35年前の韓国、国家保安法は今どう映るか?

 この時期の韓国では毎晩夜9時に 全斗煥を賛美するニュースを流して、82年までは夜間外出禁止令も出ていました。多様性を認めず、徹底的に排除の論理を働かせます(この場合は共産主義への摘発)。繰り返しますが、わずか35年前です。本作の中でソン・ウソクははじめデモを馬鹿にした発言をします。「デモで世の中が変わるわけがない」。しかし、彼は馴染みの食堂の息子を弁護することを決意してから戦うことを余儀なくされます。そして、戦う姿勢こそがアップデートを促します。1987年に全斗煥は政権を移譲します。そして1992年に文民政権が誕生し、民主化運動が結実することになります。現在、大統領への反対デモに100万人が集まっています。「時代精神のアップデート」の歴史でもあります。

 最後に本作を観ながら想起した他の作品を紹介します。『真実の瞬間』です。これはマッカーシズムに揺れるハリウッドが舞台です。こうした話が韓国に限ったものではないことが分かります。同じ時代を描いた『ヘイル!シーザー』というコメディーもありますが、どちらも本作よりさらに30年昔の1950年代が舞台。世界は、時代は、少しづつでも変わっていきます。

■DARTHREIDER a.k.a. Rei Wordup
77年フランス、パリ生まれ。ロンドン育ち東大中退。Black Swan代表。マイカデリックでの活動を経て、日本のインディーズHIPHOP LABELブームの先駆けとなるDa.Me.Recordsを設立。自身の作品をはじめメテオ、KEN THE390,COMA-CHI,環ROY,TARO SOULなどの若き才能を輩出。ラッパーとしてだけでなく、HIPHOP MCとして多方面で活躍。DMCJAPAN,BAZOOKA!!!高校生RAP選手権、SUMMERBOMBなどのBIGEVENTに携わる。豊富なHIPHOP知識を元に監修したシンコー・ミュージックのHIPHOPDISCガイドはシリーズ中ベストの売り上げを記録している。
2009年クラブでMC中に脳梗塞で倒れるも奇跡の復活を遂げる。その際、合併症で左目を失明(一時期は右目も失明、のちに手術で回復)し、新たに眼帯の死に損ないMCとしての新しいキャラを手中にする。2014年から漢 a.k.a. GAMI率いる鎖GROUPに所属。レーベル運営、KING OF KINGSプロデュースを手掛ける。ヴォーカル、ドラム、ベースのバンド、THE BASSONSで新しいFUNK ROCKを提示し注目を集めている。

■公開情報
『弁護人』
新宿シネマカリテほか、全国順次ロードショー中
監督:ヤン・ウソク
脚本:ヤン・ウソク、ユン・ヒョノ
撮影:イ・テユン
照明:オ・スンチョル
音楽:チョ・ヨンウク
出演:ソン・ガンホ、イム・シワン(ZE:A)、キム・ヨンエ、クァク・ドウォン、オ・ダルス
配給:彩プロ
(C)2013 Next Entertainment World & Withus Film Co. Ltd. All Rights Reserved.
公式サイト:http://www.bengonin.ayapro.ne.jp/

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「作品評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる