東山紀之、突然のキャラ変更で新境地 『刑事7人』は『相棒』に並ぶ人気作となるか?
『相棒』のような人気シリーズになるには
ドラマ『相棒」が人気となった要因はいくつかあるが、まず推理小説のような脚本の面白さ。一話完結で色んなタイプの話があり、視聴者を飽きさせない内容。それは脚本家を何人も抱えて、その中で厳選された話が採用されているからと言われている。再放送で初めて観る途中参加の人でも、その世界に入れるのは大きな魅力だ。
今回の『刑事7人』は毎話ごとのストーリー重視になったことで、途中からでも楽しめるという要素は『相棒』に近づきつつある。また『相棒』は水谷豊の魅力を光らせるために主要キャラ以外は地味だけど腕のある俳優が演じ、視聴者が発掘するかのようにサブキャラに魅力を持たせているのも人気の理由。なので、『相棒』ファンが好きそうな鈴木浩介の退場や、個性を抑えた登場人物たちが今後視聴者に受けいれられていくかが重要なポイントだと思われる。
しかし、水谷とは逆に意図的に光を消していっている東山の方法論は、『相棒』とは好対照なため、むしろカルト作品になる可能性もあるだろう。『相棒』が、『科捜研の女』や『警視庁捜査一課9係』を含むマーベルコミックのアベンジャーズのような世界感ならば、『刑事7人』はDCコミックのジャスティス・リーグのように、対抗する世界感を作れるほどふりきった作品になれば、ファンが増え、『相棒』に追いつくのかも知れない。本気になった“完璧主義者”東山の今後の手腕に期待するとともに、まずはシリーズの継続を願いたい。
(文=本 手)