『マッドマックス』は“カーアクション”をどう変えた? 『アウトバーン』に見るその進化

『アウトバーン』のカーアクションを考察

 かくも『マッドマックス』以降、カーアクションのハードルは俄然上がったし、作り手たちの意識も大きく変容した。少なくとも『アウトバーン』からは、そのダイナミズムがひしひしと受け取れる。

 実はアメリカでは2015年公開予定だったが、配給権を獲得した会社が思いがけなくも倒産し、権利を買い戻したりしたことで世界公開がだいぶ遅れてしまった本作(もっとも『マッドマックス』の製作期間からすれば取るに足らないことだが)。製作から2年。ようやく長い長いトンネルの闇から抜けだした本気度あふれるこの映画が、果たしてこの日本でどう評価されるのか、心して観客の判断を待ちたいところだ。

『アウトバーン』予告編

■牛津厚信
映画ライター。明治大学政治経済学部を卒業後、某映画放送専門局の勤務を経てフリーランスに転身。現在、「映画.com」、「EYESCREAM」、「パーフェクトムービーガイド」など、さまざまな媒体で映画レビュー執筆やインタビュー記事を手掛ける。また、劇場用パンフレットへの寄稿も行っている。Twitter

■公開情報
『アウトバーン』
TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、TOHOシネマズ 新宿ほかにて公開中
製作:ジョエル・シルバー
監督:エラン・クリーヴィー
出演:ニコラス・ホルト、フェリシティ・ジョーンズ、マーワン・ケンザリ、ベン・キングズレー、アンソニー・ホプキンス
配給:アスミック・エース
協力:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
原題:COLLIDE/2016年/イギリス・ドイツ/99分/カラー/スコープサイズ/5.1chデジタル
(c)2015 IM GLOBAL FILM FUND, LLC ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:http://autobahn.asmik-ace.co.jp/

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