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40年でわずか34作! ファミ通名物「クロスレビュー40点満点」の歴史を振り返る傑作カタログが必見

 6月10日のAmazon売れ筋ランキング「本」部門で8位にランクインしていたのが、『週刊ファミ通 2026年6月18日号 No.1950』(KADOKAWA)である。有名ゲーム専門誌として知られるファミ通だが、この号をもって創刊から40周年となった。

YouTuberの先駆けだった? 熱量と悪ふざけが詰まった「ファミ通の40年」

『週刊ファミ通 2026年6月18日号 No.1950』(KADOKAWA)

 まず表紙をめくって現れるのが、ゲームメーカー各社からの40周年を祝うコメント付きビジュアルである。基本的には各社の最新ソフトの広告も兼ねているのだが、これがページをめくれどもめくれども連続して現れる。巻頭から70ページ近くがこのお祝いメッセージ付きビジュアルという構成となっており、これは近年の雑誌の作りを考えるとかなり異常なことだと思う。

 というのも、雑誌の広告は近年減り続けている。インターネットとスマートフォンの普及によって、広告媒体としての雑誌のウェイトは軽くなり続けており、したがって雑誌に出稿しようという企業やその広告費についても、景気のいい話はあまり聞かなくなった。そんな中、創刊40周年のご祝儀のようなものとはいえ、70ページにわたってこの号のために新規に作られたビジュアルが連続して掲載されていることは、かなり驚異的だ。ファミ通というメディアの歴史の厚み、そして(内部的には色々あるんでしょうが)ゲーム業界の景気の良さを感じさせるページ構成だ。

 その後も40周年記念企画が怒涛の如く続く。80ページに及ぶ特集では「ファミ通とゲームが歩んだ40年」と題して、PC情報誌『ログイン』から独立して『ファミコン通信』として創刊した1986年から現在の2026年まで、ファミ通とゲーム業界で発生したトピックや世の中の動きを1年ごとに見開きで振り返る。雑誌作りのプロが40年に及ぶ歴史を圧縮・編集しているので、振り返りのポイントが明確で見応え十分。なによりディスクシステムが発売された1986年からスーパーファミコン発売、90年代の次世代ハード競争、ニンテンドーDSのヒット、ネットとゲームの連動が当たり前になった現代と、ゲームに関する歴史的な動きの大きさに驚かされる。この40年、本当にゲームはとんでもなく進化したのである。

 この特集では、ファミ通それ自体の歴史を振り返ることができるのもポイントだ。ゲーム専門誌としては後発ながら、週刊化によって大きく躍進したファミ通。クロスレビューやコミックの掲載、読者投稿ページの充実といった動きがまとめて掲載されており、たとえ一時期でもファミ通を読んでいた人なら懐かしくなること請け合い。特に往年の名企画は良くも悪くもオタク臭く、そして熱量が高い。編集部員をタレント化して数々のバカ企画にトライする様子は、まるで現在のYouTuberのようでもある。ファミ通は「現在のインターネット的な悪ふざけを、数十年前から先取りしていたメディア」でもあったのだ。

名物コラムが明かす創刊秘話と、歴史の結晶「40点満点タイトル」

 興味深いのが、名物編集者として知られる浜村通信がファミ通創刊時の思い出を振り返っているコラムである。80年代当時のゲーム専門誌の状況が赤裸々に綴られており、後発の専門誌だった『ファミコン通信』にはそれなりの苦労もあったことが伝わってくる。またここに書かれている週刊化前後のいきさつもかなりメチャクチャで、良くも悪くも往年の出版業界らしいエピソードだ。本誌を手に入れたら、ぜひ目を通していただきたいパートである。

 もうひとつ、40年の歴史を持つ雑誌だからこそできる企画だな……と思ったのが、「クロスレビュー40点タイトルカタログ」である。4人のレビュアーが新作ゲームをプレイし、それぞれの視点からレビューを行なう「新作ゲーム クロスレビュー」は、創刊まもない頃から続くファミ通の名物企画として名高い。なんせ専門誌がゲームに対する評価を点数付きで書くわけで、新聞における社説のような重みを持つコーナーである。

 その中でも40点満点を獲得するゲームはかなり珍しく、年によっては一作も出ないこともしばしば。今号ではその中でも40点満点を獲得したタイトルのみを抜粋し、掲載時のレビューとともに再掲載している。40年の歴史の中で、40点満点に達したのはわずか34作のみ。さすがにどのタイトルも印象に残るものばかりとなっており、プレイしたことのある人も多いはず。古いものも含まれているが、中には現在のハードで遊べるようにリマスターされているものもあるので、現役の「確実に面白いゲームリスト」としても使えるページだ。

 創刊40周年記念号ということで、総じてどのページからも気合いが感じられる今号のファミ通。年季の入ったコアなファンが読んでも、充分に楽しめるはずだ。また今号だけを拾い読みしても、「ファミ通とはどのような歴史を持つ雑誌か」が把握できるようになっており、ここ40年のゲームの歴史を辿ることもできる。その意味では、ファミ通を初めて読むという人やゲームの歴史を知りたい人にとっても有用な一冊と言えるだろう。また、今号からは40周年を祝して4号連続のスペシャル号が刊行される予定とのこと。4冊に付属する応募券を集めるとプレゼントが当たるキャンペーンも実施されるので、ファミ通のファンならずとも必見である。

■書誌情報
『週刊ファミ通 2026年6月18日号 No.1950』
著者:週刊ファミ通編集部
価格:880円
発売日:2026年6月4日
出版社:KADOKAWA

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