【漫画】休日出勤サボって野球観戦、楽しめる? 社会人の平和なストレス発散『WE♥BASEBALL』

 気温計が25℃を指し、夏の訪れを感じる5月の土曜日。上司の命令で休日に出勤し、雑用に励む3人の会社員。「バックレよう」の一声で彼らが向かったのは行きつけの居酒屋ではなく、プロ野球の観戦で盛り上がる球場だったーー。

 SNSに投稿されている漫画『WE♥BASEBALL』で描かれるのはリアリティのある野球観戦と、充実した休日の様子。野球にあまり興味のない読者でも、次の週末には球場へ足を運びたくなるような漫画であろう。

 本作は実際に野球観戦へ通う作者・シプラさん(@sipla_rin)の体験も含まれた漫画作品なのだという。創作のきっかけや作品の裏話についてなど、話を聞いた。(あんどうまこと)

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『WE♥BASEBALL』(シプラ)

ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

シプラ:球場で野球を観戦するようになった時、強いものの傘の下に集団で入る気持ちよさがあると気付いたんです。集団で同じ応援のフレーズを口にしたり、時には「○○倒せ!」など強めの言葉を叫んだり……。まるで絵本作品『スイミー』みたいな、自分まで強くなったような錯覚があってスカッとするんです。

 でも、その気持ちよさは自分の存在の雑魚さを示しているようで、同時に虚しくもある。そんな気持ちを人に話したら「平和な発散じゃん」と何でもないことのように返されて、私は「大人だな〜」と感じて。そんなことを表現したくて本作を描きました。

ーー本作を描くなかで印象に残っているシーンは?

シプラ:14ページ目の球場を俯瞰するシーンです。「いいじゃんそんな発散だって/平和で」という角井さんのセリフを読者に「大人だな〜」と思ってもらうためにはどうしたらいいか苦心しました。

 球団の優勝パレードを見に行った時に、とても楽しそうにしている若い男性のグループを見かけたのですが、その中の1人に十円禿げがあったんです。そのことが妙に心に残っていて、角井さんというキャラに繋がりました。

ーー推しグッズをカバンに身につけたファンを目にしたり、観客席のスマホ画面が見えてしまったりといったリアルな球場での様子。また角井さんや丸茂さん、三木さんといったキャラクターを描く中で意識したことは?

シプラ:作中の描写は球場で見かけて面白く感じた人や出来事を参考にして描きました。ただキャラクターやお仕事関連のところは十円禿げのくだりを除いて、実体験や実在の人物ではなく、あるあるっぽいものを描きました。リアリティが出ているとしたら、自分が会社員を10年くらいやっていたおかげかなと思います。

ーー本作の最後の1ページ、試合に負けた後に帰る道の、哀愁と充実感を覚える描写が印象に残っています。

シプラ:この1ページはそこまで気合いを入れた部分じゃなかったのですが、なにかを感じ取っていただけて嬉しいです。角井さんや三木さんのように、野球のことをあまりわかっていないけど、なんとなく楽しかったというのんきさって面白いなと思っていた気がします。

ーー今後の活動について教えてください。

シプラ:商業漫画家になることは一応目指しているのですが、なかなか上手くいかないですね。最近はライフワークとして漫画をずっと描いていくのかなという気がしています。いつになるかわかりませんが、いくつか作品を描き溜めて、本を作ってコミティア(オリジナル作品の即売会)に参加することが目標です。


■シプラさんのpixivはこちら:https://www.pixiv.net/users/46084202

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