ベストセラーがズラリ勢揃い! オリコン上半期“本”ランキング2026、シェア型書店「ほんまる」に登場

 個人が棚を借りて大勢に読んで欲しい本を並べ販売するシェア型書店「ほんまる 神保町店」に、売れている本(書籍)のランキングを発表しているオリコンが“店”を出した。一見すると相反する組み合わせだが、棚主たちのこだわりの本の中に今の“旬”がジャンルを問わず並ぶことで、より豊かな読書への道筋を見いだせる空間ができあがっている。

「ほんまる 神保町店」

「尖っている本棚が並ぶ中にベストセラーを置くことで、かえって個性が際立つのではないかと思いました」。今回の「オリコン上半期“本”ランキング2026」ランクイン作品をシェア型書店に並べる企画の意図を、オリコン株式会社 経営企画本部広報部の上野拓人部長はこう話して、独特な場だからこその意外性を狙ったことを明かした。

「ほんまる 神保町店」でオリコンが棚主となって並べたのは、第19回オリコン上半期“本”ランキング2026で「BOOK」と「文庫」の部門ごとに10位までに入った本だ。「BOOK」なら大ベストセラーとなった雨穴『変な地図』(双葉社)や、2026年本屋大賞を受賞した朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞出版)が並ぶ。「文庫」なら同じく本屋大賞受賞作で、舞台化を控えた宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮文庫)などが置かれている。

 神保町に店を構える大型書店に行けば、いずれも平積みにされているような本だが、「ほんまる 神保町店」という本好きの個人や版元などが棚を借り、自分たちが読んで欲しい、存在を知ってほしいと思って並べている本には、逆にあまり入っていないものばかりだ。

「こだわりの本を探して来た人たちに存在を知ってもらえるかもしれません」と、「ほんまる 神保町店」の下川晴店長も、意外な組み合わせがもたらす効果を予想する。「小説だけでなく『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ増補改訂版』が入って来るところが面白いと思いました」と下川店長。すでに意外な反応も生まれている。

「ほんまる 神保町店」の下川晴店長

 実際、ベストセラーだからといって誰もが普通に読んでいる本とは限らない。人々の関心が多様化する中で、誰もが読んでいる本というものが、以前ほど見えにくくなっている。オリコンのランキングであっても接したことがなく中身も知らない本が少なくない。それらが実際に本が並ぶことで、来店した人に改めて存在を知ってもらえる可能性がある。

 オリコンが発表した第19回オリコン上半期“本”ランキング2026には、「BOOK」「文庫」「コミック」の部門がある。今回は確保できる棚が2つだったこともあって、「BOOK」と「文庫」でそれぞれ棚を作った。

「BOOK」のランキングで第1位は、ビジネス書の堀田秀吾『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード…科学的に証明された すごい習慣大百科 人生が変わるテクニック112個集めました』(SBクリエイティブ)。雨穴や朝井リョウ、宮島未奈らの人気小説は知っていても、こちらは知らなかったという人が割といそうだ。純粋に部数だけでランク付けしていることもあり、棚を見ることで”読書”という大くくりの行為の実態がそこに可視化されたと言える。(メイン画像参照)

「文庫」の方はミステリが強いようで、1位が夕木春央の『方舟』(講談社)、2位が湊かなえ『人間標本』(KADOKAWA)、3位が松下龍之介『一次元の挿し木』(宝島社)とヒット作が並ぶが、8位にNetflix映画として配信され、評判の高さから劇場公開したところ、20億円を超える興行収入を稼ぎ出したアニメのノベライズ『超かぐや姫!』(KADOKAWA)が、ファミ通文庫というライトノベルのレーベルながらランクイン。これも一般文芸しか知らない人には驚きの1冊だろう。

「ほんまる 神保町店」に来てオリコン上半期“本”ランキング棚を見ることで、そうした気付きを得られる。なおかつ「ほんまる 神保町店」の店内に視線をめぐらせれば、ひとつひとつの棚にギュッと凝縮された棚主たちの本に対する愛情にあふれたセレクトから、関心の幅を大いに広げることができる。

「棚に置いてある本は、古本も含めて周囲の書店街にも置いてあるかもしれません。ただ『ほんまる』は棚主のセレクトを通すことで本にグッと近づけるところがあります」と下川店長。膨大な情報で溢れたネットでインフルエンサーのリコメンドが喜ばれるのと同じ理由だ。

 インフルエンサーといえば、「ほんまる 神保町店」には小説紹介クリエイターのけんごが棚を持ってお勧めの本を並べている。自分の本だけでなく木爾チレンの本も並べて関心を誘っているが、そうした“プロ”に負けずと人気なのが、「Ovi書房」という名前で展開している個人の棚だ。「独自のセレクトと、1冊1冊にメッセージカードを添えてお勧めしているところに惹かれて買われる人が多いようです」と下川店長。知ってもらいたいという気持ちを具体的な形にして見せることができるのも、セレクトから売り方まで自由に行えるシェア型書店の特徴だ。

「ほんまる 神保町店」にあるけんごの棚

 他にもタイ発の百合GLの本が並ぶ棚や、「ほんまる 神保町店」で店員として働きながらお笑いの活動もしており、オリコンに「ほんまる」の存在を伝えた書店員芸人カモシダせぶん(松竹芸能)の棚もある。近隣の書店ではまず出会えないか、膨大な売り物の中から探すのが難しい本と即座に対面できる。眺めているだけで楽しくなる店だ。その中には、「ほんまる」の運営を手がけている直木賞作家の今村翔吾の本が並ぶ棚もある。

書店員芸人カモシダせぶんの棚

 今村は、全国的に続く書店減少の流れに歯止めをかけたいという思いから、作家業に負けない熱量で書店経営に取り組んでいる。「ほんまる」の事業もそうした活動の一環で、個人が棚を持ち思い思いの本を持ち寄って集まることで、そこにコミュニケーションが生まれ本自体の広がりも起こっていくことを期待している。

地下には話題のタイ発百合GLの棚も

 オリコンの棚の登場は、個人の強い関心を見せる自己表現や、版元の一推しを見せるショーケース的な場としての「ほんまる」に、売れ筋という軸を新たに与えて本というものに対する視野を押し広げてくれるかもしれない。オリコン上半期“本”ランキング2026の棚の出店は6月1日から7月31日まで。

■関連情報
シェア型書店「ほんまる神保町店」
場所:東京都千代田区神田神保町2-23 1F/ B1F
営業時間:11:30~19:00(年中無休※お盆・年末年始を除く)
公式サイト:https://www.honmaru.me

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