「地上最強の女子高生」「脳筋聖女」「ぼっちスナイパー」……2月のラノベはスーパーヒロインが続々登場
2026年2月のライトノベルは、設定に興味を惹かれる新シリーズが続々登場。『つるぎのかなた』で第25回電撃小説大賞《金賞》を受賞した渋谷瑞也『VirtuaReality FighterZ ―空手王者がVR格ゲーに挑んだら?―』(電撃文庫)は、タイトルそのままに「地上最強の女子高生」を自称する空手王者の少女をパートナーに、VRの格闘ゲームに挑むというストーリー。かつて神童と呼ばれながら今は成績も落ちてプロ失格の瀬戸際にあった時雨と、ゲームの門外漢だった纏火が組んでどのように勝利を目指すのか? 興味しか浮かばない。2月10日発売。
こちらもVRもの。聴猫芝居『テスターですけど、このネトゲ学園が難しすぎるとか言うのやめれる? 「これ絶対クリアできないんですけど、責任とれそ?」』(電撃文庫)は、VRオンラインゲームの中に設立された世界で初めての高校、オーバーカム学園に入学することになった千葉王我が主人公。入学前にある非公開ゲームをクリアしてしまったら、それが実はオーバーカム学園だったから驚いた。ひとりフルコンプ状態でテスターとして進学することになった王我に、普通に進学してきた生徒たちが文句を言う。『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』の作者だけに、ゲーム&ラブコメの絶妙な混ざり具合を楽しませてくれそう。2月10日発売。
VRゲームものをもう1作。ゲームの中では超一流のスナイパーだが、極端なコミュ症という少女シキが主人公の空松蓮司『スナイパー・イズ・ボッチ』(ファンタジア文庫)が2月20日に発売。プレイ人数の少ないゲームで無双していたシキが、ふと”神ゲー”に挑んでみたところ、最強の敵を待ち受けていたプレイヤーがいっぱいいてあたふたする。けれどもひとりになると豹変して最強のスナイパーに変身。そこで見せた戦い振りが新たな騒動を巻き起こす。少女姿のライバルたちとの戦いと交流が面白そうだ。
「処刑少女の生きる道」シリーズを完結させた佐藤真登と、このシリーズでイラストを手がけたニリツが組んで挑む新シリーズが『くたばれ愛しの魔術師ども』(GA文庫)。1000を超える魔術学園が乱立する浮遊都市にある王立トリトニス学園に地球出身の少年・九郎が入学するが、かつては名門だった学園も今は廃校の危機。残っていた生徒は魔女が3人でいずれもくせ者ばかりという状況で、人並み外れた青春を謳歌したいと望む九郎の活躍が始まる。魔女たちのキャラも起こるだろう戦いの様子も気になる作品だ。2月15日発売。
『狼と香辛料』の支倉凍砂による新作ファンタジーも登場。『ブリッツ・マジック・スケーリング』(TOブックス)は中世風の世界に転生したIT会社の元社員・頼信が主人公。同じように転生していた元コンサル会社の健吾の紹介を受けてある商会で働き始めるものの、魔法の力も転生チートもない中でブラック労働に苦労する。それでも生き延びようと現代人としての知識を使い、魔法を爆速で拡大させる大魔法の開発に挑む。やり直し人生での成り上がりストーリーに、支倉凍砂ならではの経営や経済の要素も絡んだ独特の世界を見せてくれそう。2月10日発売。
多元宇宙や平行世界といったSF的な題材を盛り込んだ青春ストーリー『多元宇宙的青春の破れ、唯一の君がいる扉』が評判になった眞田天佑の『彼女の姉は2周目の彼女』(MF文庫J)もSF設定の作品。渋川流一が初めての彼女という美晴の家で出会った沙雪という美晴の双子の姉が、実は「タイムリープしてきた元カノ」だった。流一の本心や好みを言い当ててくる沙雪と流一が将来付き合うことになるのだとしたら、美晴はどうなってしまうのか? そんな興味をそそられる新作だ。2月25日発売。
心を刺激してくれそうなラブコメでは、鉄人じゅす『身内の世話に疲れた俺が選んだのは学園のお姫様と家族になることでした』(ダッシュエックス文庫)に惹かれるところ大。両親や兄妹のために精いっぱいに尽くしているのに認めてもらえず、絶望して家出した葛西燐音に手を差し伸べたのが片桐姫乃という少女。燐音とはクラスメイトで学園では【姫】と呼ばれる人気者の彼女がどうして? 見かけによらず家族愛に飢えていた少女との日々がもたらす甘い雰囲気に浸らせてくれそう。2月20日発売。
強い女性の物語を2作。朝森さな『追放された末端令息は辺境の野蛮令嬢に一目惚れする』(ドラゴンノベルス)は、父は貴族だが母の身分が低く「末端令息」と蔑まれ追放されてしまったルカが主人公。追放先へと向かうルカが狼に襲われていたところを、辺境伯の娘のアレクシアに救われる。武闘派で「野蛮令嬢」と噂される彼女にルカは一目惚れして、近づくために体を鍛えたり厨房の仕事に励んだりする。アクレシアの側からルカがどう見えているのか気になるところ。正反対の2人は結ばれるのかを確かめたくなる。2月5日発売。
サエトミユウ『脳筋聖女は、すべてを物理で解決する』(電撃の新文芸)の方は、転生者で聖属性を持ったリリスという少女が実は武闘派で、通い始めた貴族学園でちょっかいをかけてくる義姉や絡んで来る第一王子に臆するどころか実力行使で排除し突破していくというから凄まじい。タイトルにあるリリスの“物理”はいったいどれだけの威力なのか。そんなリリスに周囲はどのような反応を見せるのか。痛快な展開が心をスカッとさせてくれそう。2月16日発売。
お腹と心を満たしてくれそうなのが水縞しま『じんわり深夜の洋食店 お見合い夫婦のおしながき』(ことのは文庫)。三十路を前に結婚を考えた史緒がお見合いした理人は、料理人だがあるトラウマから夜眠ることができず、自分の店を持つことを諦めていた。そんな理人に史緒は深夜に営業する洋食店を提案。集まるお客も夜に仕事をしていたり、眠れなかったりする人たちで、史緒のもてなしと理人の料理によって癒やされていく。表紙に描かれたオムライスやハンバーグやエビフライといった料理が実に美味しそう。本当にあったあら行ってみたい洋食店だ。2月20日発売。