アイドル・俳優の戸塚祥太（A.B.C-Z）と詩人の黒川隆介、芸人・小説家の又吉直樹（ピース）による朗読会シリーズ『葉葉葉（ばばば）』の第一回公演『-わたしはあなたか-。』の取材会とゲネプロが、東京・キリスト品川教会 グローリア・チャペルにて行われた。本公演は31日まで上演中。

『葉葉葉』フォトギャラリー

　本公演は「言葉と認知」をテーマにした公演。戸塚は「今日を迎えられたことがまず嬉しいです。朗読会は僕にとって初挑戦ですし、黒川さんと又吉さんと同じ場に立てることに興奮しています」と笑顔で挨拶。黒川が「朗読というもの自体、（一般的に）馴染みのあるものではないかもしれないですが、朗読会の裾の尾が広がるきっかけとなればと思います」と意気込むと、又吉は「おふたりとはプライベートでお酒を飲むことがあるんですが、その時のふたりはリラックスしているのでもうちょっと緩めの顔をしているんです。けど、昼間に会うと、こんなに男前なんやとびっくりしてます」と話して、場を和ませた。

　「言葉と認知」というテーマにちなんで、気になった言葉を訊かれた３人。「大丈夫」という言葉を挙げた戸塚が「言葉につられて大丈夫になる気がする。そういう状態じゃなくても、言葉が先に連れていってくれるので、助けられています」と答えると、又吉は「周りの人を気にしている優しさが伝わりますね」と戸塚の心情に寄り添う。

　黒川は「ひとり寝てます」という言葉をピックアップ。飲み足りず、電話でスナックに「空いてますか？」と聞いたときに電話に出た店員から返ってきた言葉だそうで、「状態まで教えてくれるのかと驚きました。行くと、その寝ている人ひとりしかいなくて」と想定外の受け答えが印象に残ったと言う。

　「なるほど」という言葉を選んだ又吉は、「目上の人に言ったら失礼だとなっているけど、そうなったのは20、30年くらい。ある本の中で書いていたらしく、元々は目上の人に使っても構わない言葉だったみたいです」と説明した。

　取材後、いよいよゲネプロがスタート。黒川が「演目ががっちりと固まっているというより、ジャズのようにその場で生み出される朗読もたくさんあると思います。1回として同じものがない朗読のあり方を楽しんでいただければ」と語ったように、テーマに沿って三者三様の表現が次々と披露されていく。

　詩を生業とする黒川は、真っ向勝負で新作の詩を披露。戸塚は、裸足に黒いシックな衣装をまとってコンテンポラリーダンスを披露。さらに、自身の作詞した楽曲は新曲を合わせて2曲弾き語りするなど、得意の身体的表現を使って言葉を浮き彫りにしていく。

　教会という荘厳な環境、そしてゲネプロと関係者や取材陣が見守る場ということもあって、序盤から緊張感が漂う。そんな空気の重さを察知してか、舞台に現れた又吉はまず「こんにちは」と軽く客席へ挨拶。芸人らしく場を和ませたのち、できあがったばかりの詩を読んだあとは、「文学名言集」と銘打って太宰治や夏目漱石の名言とともに戸塚、黒川、相方の綾部祐二の名言（迷言）を紹介。ユーモアにあふれた朗読で笑いを起こした。

　戸塚が「その日その時にしか生まれない何かを自分自身もキャッチできるように楽しみたいですし、お客さんにもその瞬間を肌で感じてほしい」と語るように、3人揃っての演目では、お題に沿って即興で答えていく一問一答を実施する。

　「ロマンティックだと思う言葉は？」という問いに、「香水」と答えた戸塚は「匂いがついているのはロマンティックだなと」と説明。「冬を感じる言葉は？」への又吉による「ポケットに五円玉が入っている」と答えに、ふたりは大いに納得する。また、「週に1回、同じ文字の入ったTシャツを着るとしたら？」との問いに、戸塚はニコニコしながら「焼肉行きたい」と返答。「誰かが誘ってくれるかもしれないから」という解説に、又吉も「あぁ、いいですね」と同調した。

　また、個々が用意したノートから、３人それぞれが詩を朗読。黒川は又吉、戸塚それぞれを題材にした詩を披露したほか、最後は1行の詩を3人連続で5ターンする連詩も即興で披露した。

　最後は、黒川が一部分を加え、戸塚が人物造形に協力した又吉による書き下ろしの物語を、3人で朗読。又吉が「1回1回違うものになると思いますし、お昼の公演は光が入って、夜は暗くなるというふうに会場自体も変化するので、環境に合わせた内容にもできたらいいなと思っています」と語ったように、自由な時間の中で思い思いに言葉へアプローチしていく様が印象的な公演だった。

■公演概要
朗読会『葉葉葉』-わたしはあなたか-
10月29日(水)〜10月31日(金) 全5公演
作・演出・出演：戸塚祥太(A.B.C-Z)、黒川隆介、又吉直樹
会場：キリスト品川教会
〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-40

上演日時　
2025年
10月29日(水) 18:00
10月30日(木) 14:00 / 18:00
10月31日(金) 12:30 / 16:30

チケット
［料金(全席指定・税込)］
一般：10,000円
※未就学児のご入場はお断りいたします。
※本公演のチケットは主催者の同意のない有償譲渡が禁止されています。

［一般発売］
9月20日(土)10:00
チケットぴあ：https://w.pia.jp/t/bababa-reading/
ローソンチケット：https://l-tike.com/bababa-reading/
イープラス：https://eplus.jp/bababa-reading/
FANYチケット：https://ticket.fany.lol/

公演公式HP：https://aoi-stage.jp/bababa_reading
公演公式X：https://x.com/bababa_reading

主催／企画・製作：AOI Pro.
共催：サンライズプロモーション

＜スタッフ＞
チーフプロデューサー：代情明彦　近藤富英
プロデューサー：桑原飛向　伊藤夏恵　吉田涼乃　
アシスタントプロデューサー：大下沙綾
協力プロデューサー：吉田和睦(ナナガツ)
広報：大髙日菜子
デザイナー：白石卓也