【漫画】バリバリ働いて30歳、給料が良ければそれで幸せ? 人生の豊かさを問う『このマンガが、なっちゃんへ届きますように』

 会社員としての生活は充実しているものの、どこか現状への不満を感じる女性。ふとSNSを見ると、かつての親友のアカウントが思わぬ投稿をしていて……。

 衝撃的な出来事から人生を思い直す、漫画『このマンガが、なっちゃんへ届きますように』がXにアップされた。本作は漫画家・町田ねねこ(@ne_machida)氏が、“過去の後悔にそっと寄り添うお話”として描いた1作。

 今回は町田ねねこ氏に、本作を創作した経緯やこだわりについて話を聞いた。(青木圭介)

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『このマンガが、なっちゃんへ届きますように』(町田ねねこ)

ーー本作を創作した経緯を教えてください。

町田ねねこ:私は去年の8月から今年の1月まで、コルクマンガ専科というオンラインの漫画スクールに通っていました。スクールの卒業制作がオリジナルで32ページ程度の漫画を描くというもので、そこで作成したのが本作です。

ーー現状に不満があるなかで事件が起き、悲しみながらも最後は前を向くストーリーが心に残りました。

町田ねねこ:卒業制作に取りかかるときにスクールで、「物語のなかに入れる感情は自分がよく知っている感情にした方がいい」と言われたんです。自分自身、社会人になってから「本当にこれでよかったのかな」と立ち止まった経験がありました。なのでそこをテーマにすると決めて、自分が感じた気持ちなんかも織り交ぜながら描いています。

ーー作画についてこだわったことは?

町田ねねこ:物語があまりライトな感じではなく、少し重めじゃないですか。なのでリアル寄りではなく、少し等身を低くしました。そうすることで重くなりすぎず、読みやすくなるかなと思ったんです。

ーー本作を通して、伝えたいメッセージはありますか?

町田ねねこ:「物語を描くときは読者を1人設定すると描きやすい」と教えていただいて、本作は“未来の自分”を読者に設定した作品なんです。この作品を再び読んだ未来の自分に、「初心を忘れずに!」と伝えたいですね。

ーー町田ねねこ氏が漫画を描き始めたきっかけを教えてください。

町田ねねこ:小さい頃から絵を描くのは好きでした。でも、美大に行こうという勇気も絵を仕事にしようという気概もなくて、普通の大学に進学して普通の企業に就職したんです。ただ数年間勤めているなかで、「このままでいいのか」という気持ちはあって。趣味としてアニメを観るなかで、漫画を描きたいなという気持ちが湧きました。趣味で描いているとどんどん楽しくなってきて、漫画スクールに通おうかなと思ったんです。

ーー最後に、今後はどのような漫画を描きたいですか?

町田ねねこ:今後も、自分の気持ちや体験を土台にした物語を描いていきたいです。本作のように、日常に寄り添う作品を描きたいですね。大層なお話ではなくても、読んでいただいた後にその方の景色が少し変わる漫画が描けたら嬉しいです。

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