【漫画】極道を束ねるのはもふもふのたぬき? 強面の男とのギャップもかわいい『ごくたぬ』
たぬきが集まる極道一家の五代目は年端もいかぬ男の子。幼い跡目の教育係になった人間の男は、内気な五代目の振る舞いに不安を覚えるも……。
少年たぬきの奮闘がキュートな漫画がXにアップされた。本作は「くろふねピクシブ」(リブレ)に掲載された、漫画『ごくたぬ』の第一話だ。今回は本作の反響やこだわりについて、著者の一膳ほの氏(@ichizen_hn)に話を聞いた。(青木圭介)
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ーー本作を創作した経緯を教えてください。
一膳ほの:かわいいモノを、ギャップとともに楽しめる作品を描きたいなと思ったのがきっかけでした。かわいいだけではない少しスパイスが効いた漫画にしたくて、たぬきと極道を掛けあわせてみようと創作を始めたんです。
ーーコミックス第1巻発売当時の反響はどうでしたか?
一膳ほの:実は私、本作の単行本が発売した直後に脳腫瘍が発覚し手術をしているんです。そこで読者さんからお手紙をいただいて、デビュー作なのにと非常に驚いたのを覚えています。病室で『ごくたぬ』を読んでくれた方からの手紙を読み、泣きました。退院した後も、漫画を描き続けたいと思いましたね。デビュー作であり温かい言葉もいただけた本作は、私にとって特別な作品です。
ーーキャラクターを描くうえで大切にしていることは?
一膳ほの:本作ではやっぱり“かわいい”をとても大切にしていて、蕗くんを描く際の子供らしい丸っこさなんかは意識していました。強面な吾朗さんの、ギャップのかわいさも楽しんでもらえてたら嬉しいです。また動物を描くのが好きで、動物もかわいいと思ってもらえるよう頑張って制作しました。
ーー動物を描く際のこだわりはありますか?
一膳ほの:私は毛を一生懸命描くようにしています。絵で描いた動物には触れないし、モフモフ感が伝わりづらいじゃないですか。私自身犬を飼っていたんですけど、やっぱり本物の動物の毛並みは格別なんですよね。それができる限り伝わるよう、モフモフ描きました。
ーー本作のなかで一膳ほの氏自身が気に入っているポイントは?
一膳ほの:一目で興味を持ってもらいたかったので、1ページ目をどうしようかすごく悩んだのを覚えています。蕗くんの少年らしいかわいさを出しながら、2ページ目にかけて子供っぽいかわいい動きを描けたのが気に入っています。
ーー一膳ほの氏が漫画を描き始めたきっかけを教えてください。
一膳ほの:両親が漫画が好きだったので、小さい頃から家にはたくさん漫画がありました。絵を描くのが好きだった母の影響もあり、絵も小さい頃から描き始めましたね。小学生くらいのときから自由帳に漫画を描いていて、友達に見せていました。そのときの友達が本当にいい子ばかりで、誰も否定せずに褒めてくれたのがとても嬉しかったので、絵を好きで描き続けられたのは周りに恵まれたのも大きかったと思います。
ーー最後に、今後はどのような漫画を描きたいですか?
一膳ほの:描きたい題材や設定はたくさんあるのですが、共通して心が温まるような優しいお話を描いていきたいです。せっかく時間を使って読んでいただいた方に、「読んでよかった」と思ってもらえる作品を描けたら嬉しいですね。