【漫画】トレンドと自分の着たい服、どっちが大事? 宇宙人×ファッションの読切『Poly Style』が教えてくれる大事なこと

 ファッション系の学校に通う色見仁佳。年に一度行われるファッションショーのため制作したドレスを着てくれるモデル探しに苦戦していた仁佳は、地球に遊びに来ている“野菜人”と呼ばれる宇宙人のポリィ・ポプコンと出会う。仁佳は、ひょんなことからポプコンのショッピングに付き合うことに――。

 「周囲の視線を気にせず自分の好きな服を堂々と着よう」と前向きな気持ちにさせてくれる読切漫画『Poly Style』を描いたコルクガシさん(@col_gashi10)に、ポプコンという不思議なキャラが誕生した経緯などを聞いた。(望月悠木)

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『Poly Style』(コルクガシ)

野菜の中でトウモロコシがいちばんポップ

――野菜人という宇宙人が存在する、不思議な世界観の物語でしたね。

コルクガシ:もともとポプコンだけはできあがっていたので、「この子をどんな世界で、どんなふうに動かそうかな」というのは最初すごくぼんやり考えていました。最初は「ポプコンを保育士にしようかな?」なんて考えていました。

――そもそも、ポプコンはどのようにして生まれたのですか?

コルクガシ:「野菜の中でトウモロコシがいちばんポップじゃね?」「キャラクターにしたら可愛くね?」っていうノリで生まれました(笑)。要するに野菜の擬人化ですので、野菜の特徴をそのまま人にするよう意識しています。また、服が映えるようシンプルにデザインしました。

――「スイートコーン人の血がコーンスープ」など、ポプコンという野菜人の設定はどのように決めたのですか?

コルクガシ:大体の設定はその時のノリです(笑)。当時コーンポタージュに激ハマりしていたので。ポプコンの髪が弾けるのも、私がポップコーン作りにハマっていたからです。今思うとわけがわからないですね。

――仁佳の誕生経緯は?

コルクガシ:最初はファッションに疎い冴えない大学生にするつもりでした。「ポプコンと出会って仁佳はファッションに目覚める」みたいな。だから最初は全然違う物語になる予定だったんです。ただ、なかなか面白くならず、仁佳のキャラクターから練り直そうと思いました。そこで、ポプコンともっと対等にして、“ファッションの勉強をしている”という設定にしてみたら、すごくしっくり来ました。

ファッション要素を加えた理由

――そんなポプコンと、ファッションを学ぶ仁佳を軸にしたストーリーになった背景は?

コルクガシ:ポプコンのキャラクターを作った時、彼女にいろいろな服を着せるのが楽しくて仕方なかったんです。「この雰囲気をそのまま漫画にできたら楽しいだろうな」と思い、「宇宙人のポプコンが地球でファッションを楽しむ」をテーマに絞りました。

――仁佳という青年とポプコンが出会うことでストーリーが動き出しますが、構成はどのように進めましたか?

コルクガシ:「ショッピングの描写は絶対入れたい!」と最初から決めていました。映画の中で登場人物が楽しそうに素敵な洋服やアクセサリーをたくさん買って着替えるシーンが大好きなので、「私の漫画でも表現したいな」と思いました。それだけを決めて、ストーリーを肉付けしていった感じです。

――“ファッションショーに出場するためのドレス”を描くことは、仁佳と同様にコルクガシさん自身もデザインに悩まれたのでは?

コルクガシ:そうですね。とにかく「仁佳がポプコンに何を着せたいのか」ということはしっかり考えました。「『黒を楽しく着たかった』というポプコンの言葉を、仁佳ならちゃんと覚えているだろうな」と思い、黒をメインのドレスにしました。ちなみに装飾をミモザの花にしたのは、トウモロコシっぽいからということと、ポプコンの肌の色と統一させたかったからです。服飾については素人なので不安でしたが、デザインするのはとても楽しかったです。

――今後はどのような漫画を制作していきたいですか?

コルクガシ:現在、秋田書店が運営している漫画サイト「スーフル」で『書店のヴァンタ』を連載させていただいています! そちらを描きながら、自分の好きな漫画も別にのんびり描いていきたいと考えています。また読んでもらえたらとても嬉しいです。

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