【第62回文藝賞】受賞作は北海道出身の25歳、坂本 湾「BOXBOXBOXBOX」に決定
河出書房新社は、第62回文藝賞受賞作が坂本湾の「BOXBOXBOXBOX(ボックスボックスボックスボックス)」に決定したことを発表した。
1962年の創設以来、多くの新人作家を輩出してきた「文藝賞」の選考会が8月19日(火)明治記念館にて執り行われた。選考委員を務める小川哲、角田光代、町田康、村田沙耶香による選考の結果、第62回文藝賞受賞作が決定。坂本 湾による『BOXBOXBOXBOX(ボックスボックスボックスボックス)』が受賞となった。
受賞作と受賞の言葉、選考委員による選評・選考経過は、10月7日(火)発売の『文藝』冬季号に掲載。贈呈式は11月中旬に明治記念館にて開催し、受賞者には正賞として記念品、副賞として50万円が贈られる。
受賞作
「BOXBOXBOXBOX(ボックスボックスボックスボックス)」(400字×139枚)
坂本 湾(さかもと・わん)/1999年、北海道生まれ、宮古島育ち。現在、東京都在住。25歳。
作品紹介
ベルトコンベアに流されているのは、箱か、人間の尊厳かーー?
霧に包まれた配送センター。無限ループの仕分け作業を続ける安(あん)は、流れてくる箱の中身を妄想しながら働く日々を送っていた。
ある日、禁じられたひとつの箱の中身を覗いてしまった瞬間、目に映る風景は変質し、あったはずの箱が次々と消えていくようになって――
顔なき作業員たちの倦怠と衝動を描き出す、ブルシットジョブ時代の〈ベルトコンベア・サスペンス〉。