『北斗の拳』“かませ犬”キャラが再評価!? 新作アニメで注目したい“南斗聖拳”の使い手たち

『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』ティザーPV!!のYouTubeより

 『北斗の拳』の完全新作アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-(フィスト オブ ザ ノーススター)』が、2026年に放送・配信されることが決定した。

 公式情報として「新たなスタッフ・キャストと最新の映像技術によって原作の魅力を余すことなくアニメ化する」という方針が示されているが、そこで気になるのが“南斗聖拳の扱い”だ。

 『北斗の拳』といえば北斗神拳によって悪者をなぎ倒していく主人公・ケンシロウの生き様を描いた作品。そこで南斗聖拳は、北斗神拳と対をなす拳法という位置づけだったが、ファンのなかには「かませ犬」だと考えている人も多いだろう。

 というのも作中に登場する南斗聖拳の使い手は、あっけなくケンシロウに敗れてしまうパターンが多い。たとえば原作初期の「GOLAN編」に登場した南斗無音拳の使い手・カーネルは、暗殺拳の使い手という肩書きながら、ケンシロウに一瞬で見破られ敗北。強敵(とも)としてのちに再登場することもなく、典型的なかませ犬扱いで終わってしまった。

 こうした描写が出てくる背景としては、「108の流派が存在する」という設定が元凶と言えるだろう。一子相伝かつ一流派しかない北斗神拳に対して、南斗聖拳は流派が乱立しており、使い手も玉石混交。強者だけでなく雑魚キャラも目立ってしまうというわけだ。

 さらに1980年代に放送された旧アニメ版で、“ネタ枠”としか思えないアニオリ流派が多数登場していたことも、南斗聖拳のイメージが悪化した原因と言えるかもしれない。

 第12話で小悪党のジャッカルが使用した「南斗爆殺拳」は、点火したダイナマイトを相手に投げつけるというもの。ケンシロウから「火薬に頼って何が拳法だ」と冷静なツッコミを受けてしまっていた。

 さらに第19話に登場した「南斗人間砲弾」はガレッキーというオリキャラが編み出した技だ。部下たちを大砲で打ち出して上空から急襲させるというもので、最後には自分自身が砲弾となってケンシロウに襲い掛かった。

 それに続く第20話では、列車のように可動する大砲が「南斗列車砲」という名前で呼ばれており、もはや拳法とは何の関係もない次元に突入していた。正式な108派ではなく「勝手に名乗っているだけ」という技も多そうだ。

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