『ルパン三世』新作映画は宮崎駿×高畑勲版のイメージをどう変える? 三つの異なる『ルパン三世』を再考


 しかも監督が小池健だ。2012年のテレビアニメ『LUPIN the Third ~峰不二子という女~』で、キャクターデザインと作画監督を務め、2014年からは『LUPIN THE ⅢRD  次元大介の墓標』『同 血煙の石川五ェ門』『同 峰不二子の嘘』の監督をしている。ちなみに「アニメビジエンス」のインタビューで小池健は、『峰不二子という女』に参加するとき、監督やプロデューサーから「原点回帰でもう一度モンキー・パンチ先生の雰囲気を踏襲して、小池さんらしいキャラクターを作ってほしい」といわれたと話し、さらに〝原点回帰という発想はどこから生まれたのでしょう〟と問われると、「市民権を得ている『ルパン三世』というのはすごくファミリー向けのルパンになっているじゃないですか。皆様から支持いただいているものだからそれはいいとして、でも僕らが子供の頃に出会ったファースト・ルパン(71年にOAされた最初のテレビシリーズ)とか複製人間マモー(『ルパン三世』初の劇場映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』)は、大人ベースのアクションだったんですよ。だから、ああいう雰囲気のルパンにもう一度戻れないのかと探っていったことが、原点回帰に繋がっていきました」と答えている。

 実は予告映像に「すべての『ルパン三世』につながる物語」という言葉が出てくる。先の発言を見ると、原点から現在に至る『ルパン三世』のすべてのイメージを統合しようとしているのか。それとも予想外の仕掛けで、『ルパン三世』の世界を包括する物語にしようとしているのだろうか。勝手な妄想を膨らませては、胸を高鳴らせているのである。ああ、劇場で確認する日が待ち遠しい。

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