東ブクロ “クズ芸人”確立の背景は? 識者が指摘する、相方・さらば森田の光る“プロデュース力”

ファンとの距離の近さも武器に

 加えてラリー氏は、さらば青春の光が「ファンを育てること」にも成功していると指摘する。さらば青春の光の公式YouTubeチャンネルは、現在登録者が約143万人(※2月27日時点)。ザ・森東の「株主」と呼ばれる熱心なファンに支えられている。

「ファンとの関係性を大事にしていて、単なる視聴者ではなく、応援団として巻き込んでいますよね。例えば、『株主総会』と銘打ったファンミーティングを開催するなど、一緒に会社を盛り上げていこうという雰囲気作りがなされています」

 個人事務所ならではの親近感は、ファンの熱量を高めることにもつながっているという。

「大手事務所だと、どうしてもタレントとファンの間に距離があるような印象がありますが、さらば青春の光は、事務所の内部事情についても明け透けに語っていて、より身近な感じがするのではないでしょうか。たとえば、イベントに行ってグッズを買う際も、それが直接、森田さんや東ブクロさん、YouTubeに登場するスタッフたちに還元される図が想像しやすい。その距離感の近さが、ファンの応援を加速させているように思います」

スピード感と企画力が強み

 ラリー氏は、さらば青春の光のYouTubeの強みについて、「話題になったニュースをネタにするスピード感が圧倒的に早い」と語る。つい先日も吉本のオンラインカジノ騒動があった直後に、「オンラインカジノについて」というタイトルの動画を投稿。公開から約10日間で200万再生を記録した。

「テレビだとコンプライアンスの制約があるため、扱いづらいテーマも多いですが、彼らは個人事務所だからこそ自由に動ける。結果として、より過激で時事性の高い企画が可能になっています」

 さらに、彼らの独自性を高めているのが、その企画力の高さだ。

「何か事件が起きたときに、それについて持論を語るだけのYouTuberは大勢いますが、さらば青春の光は、あくまでニュースをフリにして、お笑いに昇華させている。その部分はやはり、お二人や作家さんの企画力の賜物です。時事ネタを素早くやるだけではなく、それを面白おかしくネタにしている。そこを両立させているところが、彼らがほかと一線を画す理由だと思います」

 「コンプライアンス」が叫ばれる芸能界で、唯一無二のポジションを築いたさらば青春の光は、これからも芸能界に新たな風を吹き込んでいくはずだ。

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