2人の感情の動きにキュンとしちゃう　『営業部の高杉さんは心臓に悪い』20話

――作品の反響などはいかがですか？

eruko：たくさんの方に協力していただき、連載しているアプリの外でも知ってもらえたのは嬉しかったです。甘々が好きな方に読んでいただけたのかなと思います。

――漫画『営業部の高杉さんは心臓に悪い』制作のきっかけについて教えてください。

eruko：オフィスの素材を買ったタイミングと、別雑誌でショートラブコメを描いたタイミングがばっちり合って、オフィスの小ネタ漫画を描いたのがきっかけです。そのままショート漫画で行くつもりだったのですが、1話が長い方がいいとのことで今の方向性に落ち着きました。

――キュンキュン必至な各エピソードはどのように考えられているのでしょう？

eruko：ありがとうございます……！気持ちの流れを先に考えつつ、大抵はその話に出てくる小物を使って無理やり考えています　（笑）。エピソードというよりは、キャラ自身に自分の趣味が反映されているので、キャラっぽさが出さえすれば個人的に「好きなエピソードだな」となります。

――高杉さんと堤さんにモデルがいたり？

eruko：モデルはいないのですが「現実の人が発言した癖の強い言葉等を覚えておいて、それを最大限活かす」という考え方でイメージしていったと思います。

　編集さんと相談するうちに癖が強すぎるセリフ、冷たすぎるセリフは削られていき、今のちょっと甘めな高杉さんになりました（笑）。堤さんは、あまり考えず高杉さんへの反応で作っていった感じでした。

――制作に当たって苦労、そしてそれが報われることは何でしょう？

eruko：一コマ一コマ、ちまちまと考えているので「一コマ一コマじっくり読んだ」って言ってもらえると大変嬉しいです。一方で「サクっと読める」と言ってくれる方もいるのも、また嬉しいですね。

――作画やキャラデザインについてのこだわりや意識していることがあれば教えてください。

eruko：ずっと瞳の書き方を固定させたいと思いながら、絵柄を無視しつつ、伝えること優先で表情を描いています（笑）。高杉さんのキャラデザは整髪料をつけてなさそうな感じが、オフの日とあまり変わりなくていいなと思ってます。

――今後『営業部の高杉さんは心臓に悪い』はどう描いていきますか？

eruko：描きたいことはいろいろありますが、逆に後先考えずに1話1話、丁寧に気持ちが進むように描いていこうと考えています。

――作家としての展望、なりたい作家像を教えてください。

eruko：続きを待つ楽しさを読者として味わってきたので、そういう漫画を自分も描ければ。その上で「1回読んで終わり」より、「もう1回読みたい」と思える漫画を目指していきたいです。

©eruko／白泉社