同人誌即売会「コミティア」40周年 過去最大規模の約6900サークル参加ーー年々存在感が高まる理由は?

■「コミティア」はどんなイベント?

コミティア実行委員会の公式Xより  @COMITIAofficial

  2024年11月17日に150回を迎えた「COMITIA(コミティア)」。1984年に初開催され、今年は40周年という節目の年でもある。同人誌即売会といえば「コミックマーケット(コミケ)」が有名だが、コミティアの存在感も年々高まっている。公式の発表によると、このたびの「COMITIA 150」には過去最大規模の約6900サークルが参加したという。

 コミティアで頒布されるのは、オリジナル(一次創作)の同人誌が中心だ。対するコミケはオリジナルも多いものの二次創作が主体となっているため、ある程度は棲み分けられている。コミティアはオリジナルであれば、漫画のほかにも、小説、評論、音楽、グッズなどの発表も可能である。

  コミティアは、出版社にとっても目が離せないイベントになっている。というのも、漫画雑誌が新人発掘の場として重視しているためだ。コミティアには大手出版社が“出張マンガ編集部”を開設し、その場での持ち込みに応じている。「COMITIA 150」には140誌(媒体)の編集部が参加し、その規模は国内最大級といわれている。

  持ち込んだ原稿のクオリティ次第ではその場で担当編集者がつくことも多いため、出張マンガ編集部への参加は、商業デビューを目指す漫画家志望者にとって見逃せない機会なのだ。実際、コミティアをきっかけにプロになった漫画家は非常に多いため、集英社、講談社、小学館、秋田書店など大手出版社も編集者を送り込んでいる。

  ちなみに、リアルサウンドブックで何度かインタビューを行っている、『明日、私は誰かのカノジョ』の作者・をのひなお氏もコミティアで現在の担当編集氏と出会い、デビューのきっかけを掴んだことで知られる。をの氏が新作『パーフェクト グリッター』を連載しているCygamesのサイコミも、もちろん今回も出張マンガ編集部に参加した。

■プロの漫画家の参加も多い

 また、コミティアは、プロの漫画家やイラストレーター、アニメーターの参加も多いイベントである。オリジナル漫画はもちろんだが、画集から直筆の色紙まで、様々な品物を頒布している。コミケと比べれば混雑していないとあって、空き時間にファンとコミュニケーションを図ることを楽しみに参加しているクリエイターも多い。

  コミティアに以前から参加している筆者の友人は、コミティアならではの自由な作品がたくさん入手できることを魅力と語り、「同人誌の醍醐味を感じられるイベントだと思います。作家さんが描きたいものを描いた感じの漫画が多い。また、自分がずっと“推し”続けていた作家さんがデビューしたときの喜びも、特別なものがありますね」と話す。

  なお、「COMITIA 151」は2025年2月16日に東京ビッグサイトにて開催される。興味のある人は足を運んでみてはいかがだろう。

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