『ONE PIECE』ロキ、本当に太陽の神なのか? 「伝説の悪魔の実」をめぐる謎と「神の天敵」になる可能性

※本稿は『ONE PIECE』最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

 しばらく前から、激動の展開が続いているマンガ『ONE PIECE』。現在『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されているエピソードでは、新章「エルバフ編」が幕を開け、巨人の国の秘密が明かされつつある。そこでとりわけ大きな注目を集めているのが、新たなキャラクターとして登場したロキという人物だ。

  ロキはエルバフの戦士の王国「ウォーランド」で暮らす巨人族の一員。王であるハラルドの息子らしいが、素行の悪さから「呪いの王子」と呼ばれており、数年前から「磔の刑」にされている。具体的には、王家に伝わる「伝説の悪魔の実」を食べるため、父であるハラルド王を手にかけたという。

  たんに巨人族の間でそう囁かれているだけなので、真実はまだ分からないものの、このロキの設定は色々と謎に包まれている。たとえば彼は「太陽の神」を自称しているが、一体何の悪魔の実を食べたのか……。

 「太陽の神」と聞いて思い浮かぶのは、やはり太陽の神・ニカだろう。ニカはバッカニア族の間で伝わる伝説の戦士であり、人々を笑わせて苦悩から解放してくれる存在として崇められていたが、後にルフィが食べた悪魔の実が「ヒトヒトの実」幻獣種モデル“ニカ”だったことが判明。解放のドラムを鳴り響かせながら戦うルフィの姿は、ある人々にとっては救いの象徴であり、五老星などにとっては脅威の象徴となっている。

  翻ってロキが「太陽の神」を自称しているということは、自分が「ヒトヒトの実」幻獣種モデル“ニカ”を食べたと考えているのかもしれない。しかし作中世界のルールでは、「同時期に同じ能力をもつ悪魔の実は2つ存在しない」ということになっている。だとすれば、ロキはここで何か大きな勘違いをしているのではないだろうか。

  そこで読者のあいだで指摘されているのが、ロキが“ニカとよく似た能力”の悪魔の実を食べ、本物だと思い込んでしまったという可能性だ。ニカと酷似した能力といえば、作中で長らくルフィが食べたとされていた悪魔の実、「ゴムゴムの実」。すなわち、ルフィに関して「伝説の悪魔の実」が「ゴムゴムの実」と取り違えられていたように、ロキの場合には「ゴムゴムの実」を「伝説の悪魔の実」と勘違いしている……というわけだ。

  そうなると、ロキは太陽の神に比肩する能力者ではなく、たんなる1人の能力者ということになる。ただしその場合、巨人の戦士たちが総出で取り押さえなければならないほど強大な力をロキがもっていることが、また別の謎として浮上してくるだろう。

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