嵐の歌絵本『君のうた』即完売の大反響ーーファンが今後に期待する『ストームレーベルズ』の出版物は?
人気により即時予約受付停止となった歌絵本
人気アイドルグループ・嵐が11月6日に歌絵本『君のうた』を発売することで、SNS上で話題となっている(※嵐ファンクラブ会員先行で2024年11月3日。一般の音楽ソフト取扱店、ECサイト店では2024年11月6日発売を予定)。これは今年11月3日にデビュー25周年を迎える嵐が、長年応援してきたファンとアニバーサリーイヤーを楽しむために企画されたもののひとつだ。
他にも現在特設サイトでは『MY BEST ARASHI』と称して、これまで計423曲をリリースしてきた嵐の楽曲の中から、オリジナルのベスト5を選曲して投稿できるイベントを開催中。また11月3日当日には公式YouTubeでは全MVが公開され、劇場では10周年記念ライブ『ARASHI Anniversary Tour 5×10』が計505回上映予定だ。
さらに、12タイトルのライブDVDがBlu-ray化されたり、20周年ベスト・アルバム『「5×20 All the BEST!! 1999-2019」(Special Edition)』がDolby Atmos音源で配信されたりと、過去の作品が装いも新たに登場するという。
そうしてスペシャルなイベントで盛り上がる中、多くのファンを惹きつけたのが先述した歌絵本『君のうた』の発売だ。9月15日に予約が開始されるとわずか数時間で完売してしまう事態に。どれだけ待ち望まれていたかがうかがえる反響ぶりだ。
「君のうた」は2018年10月にリリースされた嵐の56枚目シングルで、相葉雅紀が主演を務めた金曜ナイトドラマ『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)の主題歌としても愛された1曲。
たらさわみちによる同名漫画(全12巻)を原作とし、相葉演じる相葉演じる獣医師・コオ先生が東京・神楽坂を舞台に動物たちや街の人々とふれあう姿を描いたドラマは、『嗚呼!!みんなの動物園』(日本テレビ系)でもたくさんの動物たちと寄り添ってきた相葉のイメージともリンクしていたことから、多くの視聴者の心を温めた。
歌絵本『君のうた』は、そんなドラマの雰囲気にもぴったりな「君のうた」の歌詞をもとに、イラストレーターの生駒さちこによる水彩画で綴った1冊になるそう。発表された表紙を見ると、白いワンピースをまとった少女が青空にかかる虹を見上げている姿が印象的で、周囲には老若男女の後ろ姿、そして猫のシルエットも確認できる。
虹の色はよく見ると、上から緑(相葉雅紀)、紫(松本潤)、黄色(二宮和也)、青(大野智)、赤(櫻井翔)と嵐のメンバーカラーになっているではないか。まるで2020年末より活動を休止しても変わらずに人々から愛され続けている嵐の存在を示しているかのようだ。
嵐が「君のうた」で歌った普遍的な愛のメッセージ。そして、嵐というグループそのものが放つ、ハートウォーミングな空気感が蘇る絵本になるのではないだろうか。「最後まで読み終えた時、じんわりと幸せな気持ちに包まれる絵本」という説明文にもますます期待が高まる。
出版元の株式会社ストームレーベルズとは?
そして同時に注目したいのが、この歌絵本の発行が株式会社ストームレーベルズであるということだ。ストームレーベルズといえば、かつて「ジェイ・ストーム」の名前で親しまれてきたレコード会社。2001年に嵐のプライベートレーベルとしてスタートし、2024年1月1日に名前をストームレーベルズに改めて再スタートした。
これまで嵐をはじめとした所属アーティストに関する数多くのCDや映像作品などを製作してきたストームレーベルズだが、書籍などの紙媒体については出版社を介して発売されてきた印象が強い。たとえば雑誌で連載されてきた記事がまとまったタイミングで出版されたり、彼らを長年撮影・インタビューしてきた出版社のチームによって写真集やカレンダーが作られるものだったり。そうした流れとはまた別に、こうしてレーベルによって内製された作品が発売されるというのはファンにとっても嬉しい動きだ。
毎号の連載として読む雑誌記事と1冊の作品にまとめられた書籍とでは、手元に残しておく思い入れが大きく異なる。そこに撮り下ろしなどの特典がつけばなおのことだ。だが、書籍化するというのは様々なタイミングが合致しないと実現は難しい。もしかしたら今回のようにレーベルが主体となって出版する事例がうまくいけば、今後は新たな流れとして定着するのではないか。
個性際立つ「FC限定ブログ」という財産
インターネットに対して慎重な姿勢を見せてきたもののSMILE-UP.のアーティストたちは、スマートフォン専用サイトFAMILY CLUB web(旧ジャニーズWeb)にてブログなどの連載を続けてきた。サイトに登録した会員だけが読むには惜しい魅力的なコンテンツも多い。一定期間を過ぎた記事を遡ることができなくなってしまうのも実に残念だ。
例えば、嵐の櫻井翔が綴る「オトノハ」は長年書籍化を希望する声が絶えないコンテンツのひとつ。櫻井のスマートさが際立つ文章に、時折みられる括弧書きのセルフツッコミがチャーミングで小気味良い。そして、合間に自撮り写真など飾らない表情が見られるのもブログならではの贅沢さ。