10年経っても色褪せない……『HUNTER×HUNTER』キメラアント編が最高傑作と言われる所以は?

 最期にはコムギとともに軍儀をしながら穏やかな時間を過ごし、毒で命を落とす。メルエムが成長する様子を読者が見守ってきた中で命を落としてしまうので、余計に涙を誘うのではないだろうか。

 シリアスなシーンばかり紹介したが、本章では「ポックルがネフェルピトーに脳みそをいじられるシーン」「ネテロ会長の感謝の正拳突き1万回」「ゴンさん」など、作品をきちんと読んでいなくても知っている人の多いインパクトのあるシーンが多い。どれも思わずネタにしてしまうくらい印象的なのだ。そんなところも愛される所以だろう。

 10年以上前に完結したとは思えないほど、今なお読者の心に残り続けている「キメラアント編」。これを機会に、再び不朽の名作を読み返してみるのも良いのかもしれない。

関連記事