『呪術廻戦』五条悟が復活!?  衝撃の回想シーンから“置いていかれた男”の本心を考察

五条悟が“教師としての顔”を捨てた理由は?

  五条といえば、宿儺に致命傷を負わされた際、走馬灯のような空港シーンにおいて、不可解な姿を見せていたことが印象深い。あの世行きがすでに決まっている口ぶりで、夏油を始めとする死者たちと言葉を交わしたのだが、自身の死後に残された教え子たちのことをほとんど考えていなかったのだ。

  この時の五条は宿儺という絶対的な強者との戦いにほぼ満足し、「悔いのない死」を受け入れていた。しかも七海建人によって、最初から何かを守るためではなく、あくまで自分を満足させるために呪術を使ってきたことを看破されている。これまで作中で描かれてきた“教師としての五条悟”とは、あまりにもかけ離れた姿だと言えるだろう。そのため当時読者のあいだでは、激しい議論が巻き起こることになった。

  だが、最新話である第261話で明かされた描写を見ると、五条の最期に矛盾は存在しなかったようにも思えてくる。教え子たちが未来の呪術界で生きやすくなるよう、呪術総監部を抹殺した“空白の1カ月”の時点で、すでに教師としての役割をほぼ終えていた……という風に考えられるからだ。

  はっきりとは描かれていないものの、1カ月のあいだには呪術界のリセットだけでなく、憂憂の術式を使った修行に協力して教え子を鍛える時間があったとも想像できる。なにより、乙骨が五条の肉体を受け継ぐというプランが存在することは、1つの大きな安心材料だったはず。もし自分が宿儺に倒されたとしても、強く聡い仲間たちが世界を救ってくれると信じていたからこそ、五条は満足げに空港から旅立ったのではないだろうか。

  そんな五条の信頼を背負いつつ、新たな“怪物”へと変貌を遂げた乙骨。人間性を捨てた術師たちが集結する場となりつつある新宿だが、この戦いはどのような結末へと向かうのだろうか。今後の展開にも注目していきたい。

 

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

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