EXILE NAOTO、肉体で表現するパフォーマーの生き様 「これが俺の商売道具です」

EXILE NAOTO『Onestà(オネスタ)』(幻冬舎)

 EXILE NAOTO(EXILE / 三代目 J SOUL BROTHERS)が、3月21日にファン待望の1st写真集『Onestà(オネスタ)』(幻冬舎)を刊行した。また、その前日である3月20日には、彼がリーダーを務めるヒップホップグループHONEST BOYZ®が、1stアルバム『HBZ』を配信リリース。4月7日から始まった初のソロツアー『NAOTO PRESENTS HONEST HOUSE 2024』も、早くも7月に追加公演が決定しており、まだまだ勢いは止まらない。

リアルサウンドブックでは、1st写真集『Onestà』、1stアルバム『HBZ』、1stソロツアーという初めて尽くしのトピックスを通して、“奇跡の40歳 EXILE NAOTO”の今に迫った。(斉藤碧)

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できるだけ自然な状態の自分を撮ってもらえたら

――3月20日にHONEST BOYZ®の1stアルバム『HBZ』が配信リリースされ、その翌日3月21日にはNAOTOさんの1st写真集『Onestà』が刊行されましたが、それぞれ、いつ頃から制作が始まりましたか?

NAOTO:企画自体は両方とも昨年から動いていましたね。『Onestà』の撮影をしたのは昨年の9月末でしたし、アルバム制作をしていたのもその頃でした。とはいえ、「絶対に同じタイミングで出そう!」っていう狙いがあったわけではなくて。発売日が近づいていくうちに「あれ……? 1日違いじゃない?」みたいな(笑)。それくらい、本当にたまたま同じ週に決まりました。

――そうだったんですね。ではまず、写真集『Onestà』のお話から。こちらは、どういう経緯で制作することになったのでしょうか。

NAOTO:昨年、三代目JSBとして『STARS MEET&GREET TOUR』を回り、ファンの方とたくさんコミュニケーションをとる中で、「写真集、待ってます!」とか「ソロツアー待ってます!」というお声をたくさんいただきまして。みなさんの声に背中を押されて、制作することを決めました。

――シチリア(イタリア)で撮ろうと思ったのはなぜですか?

NAOTO:撮影場所の候補を考え始めて、最初にポンッと出てきたのが、感銘を受けた映画の聖地でもあり、以前から訪れたいと思っていたシチリアだったんです。もちろん、気軽に行けるような距離感の場所ではないので、実現可能か?っていう精査は必要でしたけど。スタッフのみなさんのおかげで決定し、連れて行ってもらいました。そういう経緯もあって、かなり思い入れの深い1冊になりました。タイトルは僕の名前の“直”(直人)を“正直”と捉えて、イタリア語で“誠実”を意味する『Onestà』にしたんですが、写真に関しては、僕が旅好きなので、実際に旅をしている道中で撮っているような内容にしたいと思っていましたね。旅先の自分を見せたいというか。普段、スイッチが入った状態の自分をお見せする機会が多いからこそ、できるだけ自然な状態の自分を撮ってもらえたらいいなと思いました。

――じゃあ、表紙のNAOTOさんが上裸なのは、旅先でいつも上裸だから?

NAOTO:あははははは!(ひとしきり爆笑した後、表情をキリっと切り替えて)そうですね。ホテルに着いたら、俺は基本的に白パン一丁で過ごしてます。家でもいつもこんな感じです。……って真面目なトーンで書いてもらって、“NAOTOのパンイチ伝説”を定着させようかな(笑)。

――(笑)。このカットを表紙に選んだ理由はなんですか?

NAOTO:最初、写真集を発売するにあたり、先行でビジュアルを出す必要があって。その時はスタッフさん達にお願いして、3~4枚選んでいただいたんですよ。表紙は後日、改めて全ての写真から選びましょうって話で。でも、先行で出した3~4枚が、選んでいただいただけあって良い写真ばかりだったので、その中で一番パンチのあるパンイチ写真を表紙にしました。

――お~、さすがラッパー、韻を踏んできましたね。パンチのあるパンイチ。

NAOTO:ダジャレみたいになっちゃいました(照笑)。

――まさに“奇跡の40歳”といった感じの美ボディは、日頃の鍛錬の賜物でしょうか。

NAOTO:はい、普段からめっちゃ鍛えてるので。今回の撮影前にも仕上げのトレーニングをしたんですけど、すぐに出来上がるようなものではなく、ダンサーの歴史が詰まっている肉体だなと思います。だから「俺の鍛え上げた筋肉を見てくれ!」というよりは、「これが俺の商売道具です。23~24年、これを器としてやってきました」っていう感じ。肉体を通して、パフォーマーとしての生き様を感じてもらえたら嬉しいです。

――R&Bのアーティストのジャケットって、こういう感じですよね。

NAOTO:確かに。僕が好きなUsherも、『U Don't Have To Call』のMVで白パン姿を披露してたなぁ……。ベッドに横たわる姿がセクシーで、「この世の中に白パン一丁でこんなにカッコよく魅せられる人がいるんだ!」って思った記憶があります。この表紙には、そういった僕のルーツが反映されたのかもしれないですね。

飛び込んだ先でどれだけ頑張れるかが大事

――NAOTOさんは自身のファッションブランド「STUDIO SEVEN」を手掛けるなど、ファッションリーダーとしても活躍していますが、写真集の衣装もご自身が中心になって選んだのですか?

NAOTO:今回の衣装は僕の一存で決めたわけではなくて、何年もお世話になっているスタイリストの野口強さんと相談しながら、一緒にイメージを作り上げていきました。僕は初の写真集ですし、つい自分が着たい服を選びたくなるんですよ。でも、野口さんは何度も写真集を作ってきているから、何を大事にしたらいいかをよく理解していて。着たい服をただ着ればいいのではなく、シチリアの風景やムードとマッチして初めて、良い写真が撮れるってことを教えてくれました。的確なアドバイスをズバッと言ってくれる人なので、すごく助かりましたね。後々写真を見て、「このシーンで、もし自分が着たかった服を着ていたら浮いてたな」って思うことが結構ありましたし、強さんにお任せしてよかったです。

――カメラマンのMARI SARAIさんも、付き合いの長い方なんですか?

NAOTO:いえ、SARAIさんとは初めてご一緒しました。カメラマンを決めるにあたって、いろんな方のことをリサーチさせてもらったんですが、ソロの写真集だから、なによりも撮っている時のムードを大事にしたいなって思ったんですよね。スタイリストさんもそうですし、ヘアメイクさんや編集さん、写真集を作り上げるスタッフ全員のムードが良ければ、1つ1つの車輪が上手く嚙み合って、パワーが生まれると思ったんです。それで、パワフルなカメラマンさんだという評判を聞いていたSARAIさんにお声掛けしました。初めての写真集で初めての方に頼むというのは、ちょっと勇気のいることだったんですけど、最高のムードで最高の写真を撮ってくださって。一気にSARAIさんのファンになりました。

――「この撮影は最高だった!」という、印象深いカットを教えてください。

NAOTO:(写真集をめくりながら)タバコを咥えてるカットかな。これ、普段から吸ってるように見えるでしょ? でも僕、生まれてこのかた、タバコを吸ったことがなかったんですよ。一度も! そんな僕がこの撮影のためだけにタバコを咥えているので、なかなかレアなんじゃないかなと思います。このカット、最初はエアタバコだったんですよね。

――エアタバコ……?

NAOTO:SARAIさんに「手に動きがほしいから、タバコを吸ってる振りして」って言われて、僕も「振り!?」って思いながら、それっぽく手を動かしてたんです。そしたら、SARAIさんは「いいね!」って言ってくれたんですけど、すかさず強さんが「いや、おかしいやろ」って冷静なツッコミを入れてきて(笑)。

――野口さんとSARAIさん、良いコンビですね(笑)。

NAOTO:2人とも関西人だから、ボケとツッコミを延々とやり合ってましたね。そのおかげで、終始楽しい雰囲気で撮影できました。

――エッセイパートには、幼少期から現在に至るまでの歩みが、ファンの方へ宛てた手紙のような形式で綴られていますが、読み返してどんなことを感じましたか?

NAOTO:普通に暮らしていたら、人生を一から振り返ることって、滅多にないじゃないですか。でも、振り返ることによって見えてくるものがあるというか。過去には人生のヒントが隠れていたりするものなんだなって、思いました。

――人生のヒント、というと?

NAOTO:みんなと同じように、僕もこれまで、人生における大きな決断をするタイミングが何度かあって。その都度、ものすごく悩んだんです。例えば、僕は二代目J Soul Brothersに入る前、アーティストのバックダンサーや振付師として仕事をしていたんですが、そういったダンスの仕事を一旦全部辞めて、アーティスト(パフォーマー)としてこの業界に飛び込む時とかね。でも、15年以上アーティストをやってきて思うのは、実際に飛び込んでみないと、わからないことのほうが多かったなと。どっちの道を選択するかで悩むんじゃなくて、飛び込んだ先でどれだけ頑張れるかが大事だと、過去の自分から学びました。

――その言葉は、人生の岐路に立っている人に勇気を与えると思います。

NAOTO:そう思ってもらえたら嬉しいですね。あと、運で変わる部分も大きいから(笑)。自分が決めたことで人生が激変するって考えると、悩んじゃうけど、そんなに深刻にならなくていいんじゃないかな。中には、自分の計算通りに進んできた人もいると思いますけど、自分はそういうタイプじゃなかったから。まずは一歩踏み込んでみて、運を味方につけて、ガムシャラに頑張る。それが、僕からみなさんに伝えられるヒントです。

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