ありがとう『キャプテン翼』 いま振り返る作品を彩った素晴らしき“キャプテン”たち

欧州の雄、ドイツの皇帝カール・ハインツ・シュナイダー

 最後に紹介するのは西ドイツJrユース代表、そしてドイツ五輪代表と代表チームのキャプテンとして君臨する皇帝、カール・ハインツ・シュナイダーだ。

 かつては日本が誇るSGGK(スーパーグレートゴールキーパー)若林源三とチームメイトでもあり、ペナルティエリア外からはゴールを決して割らせないという伝説を持つ若林からも50%の確率でエリア外からゴールを奪うというエピソードだけでも、その凄さの一端を垣間見ることができる。

 実際に燃えていると噂のファイヤーショットを武器にエースストライカーとしてゴールを量産するシュナイダー。時に非常とも言えるドライな一面を持ち、皇帝の異名が相応しいクールなイメージが強いキャラクターではあるが、時折見せる熱さもまた魅力的だ。

 盟友であるチームメイト、仕事師ヘルマン・カルツが大怪我を負い途中退場した際に、志半ばで散った友の想いを背負い、勝利の為に全力でプレーする姿が記憶に残る。敗北を喫した際には友への申し訳無さから悔し涙を流すシーンもあり、読者の側にも込み上げてくるものがある。国内から世界へと闘いのステージが上がっていく中で、世界の強豪という印象を強く読者に与えてくれたキャプテンの1人だろう。

 40年以上の長きに渡りファンに愛されてきた『キャプテン翼』には、当然だが登場したチームの数だけキャプテンも存在する。ピッチに解き放たれた選手達を束ねる主将という役割を担ったプレーヤーは、皆とても魅力的に映る。ぜひ本作を手に取って、自分にとって1番お気に入りの「キャプテン○○」を見つけてみてほしい。

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