【ONE PIECE考察】巨兵海賊団の結成にも秘密が? ワンピース研究家が紐解く、エルバフと太陽の神の関係

※本記事は『ONE PIECE』最新話の内容に触れる部分があります。連載を未読の方はご注意ください。

 『ONE PIECE』のエッグヘッド編にて、窮地に立たされた麦わらの一味。そんな彼らのもとにまさかの援軍が駆けつけ、読者の間では大きな話題になった。それがかつて一味と絆を築いたドリーとブロギー率いる「巨兵海賊団」だ。

 ルフィを迎えに来た彼らの故郷エルバフと、太陽の神ニカにはどのような関係があるのか。今回はエルバフとニカについて、ワンピース研究家の神木健児氏に話を聞く。

「最終章のキーパーソンの一人であるシャンクスがエルバフにいると明かされて、この巨人の国が物語と関係してくるだろうとは考えられていました。。ただまさか巨兵海賊団側がエッグヘッドに来るとは思わず、ワクワクしています。またドリーが『太陽の神』と言いながら上陸しているので、太陽の神ニカが彼らの目的であると考えて間違いないでしょう。

 シャンクスは、確実にゴムゴムの実や太陽の神ニカについて、ある程度深くまで知っていますよね。そう考えると、彼が巨兵海賊団にルフィが太陽の神ニカであること、そして太陽の神ニカがエルバフにもたらしてくれるモノを教えたのかもしれません。ドリーとブロギーは、リトルガーデンにて100年間も決闘を続けていました。戦士の誇りを懸けた戦いであり、この決着がつくまで戦い続けるということ自体が誇りでもあった。その気持ちを凌駕する覚悟で戦いを終わらせ、2人はエッグヘッドに来たんです。それだけエルバフにとって、太陽の神ニカは重要な存在なのでしょう」

 巨兵海賊団には、成り立ちにも気になる点があると神木氏は続ける。

「エルバフが、他の国よりも太陽の神ニカを重要視していることは間違いないでしょう。巨兵海賊団は、100年前にグランドラインで大暴れしていた海賊団として知られています。しかし当時は、海賊王のロジャーも生まれてさえおらず、大海賊時代になるずっと前。そう考えると、なぜエルバフの巨人たちが海に出たのかが疑問ですよね。もしかしたら巨兵海賊団が結成され海に出た理由自体が、太陽の神ニカだったのかもしれません。ビッグマムの過去編で、エルバフには太陽に感謝する『冬至祭』があると描かれています。エルバフの太陽信仰も、確実にニカと繋がる伏線でしょう。

 またエッグヘッドでフランキーやボニーを助けてくれた巨兵海賊団の戦士は、雲の上の研究所と聞いて『空島』と口にしています。エルバフにいた彼らは、確実に存在するものとして空島を知っている様子。エルバフには、巨大な樹があります。もしその樹が空島へと繋がっているとすると、空島とエルバフの関係も太陽信仰に深く関わってくると思います。くまの過去編でイワンコフが、くまに対し巨人族の血を引いていると言う描写も。これがくま個人に向けた言葉かバッカニア族に向けた言葉かはわかりませんが、バッカニア族と巨人族にも関係はあるのでしょう。空島に住む民、そしてバッカニア族と巨人族。この3つの種族の関係性がわかったとき、歴史の真実、太陽の神ニカの存在意義が判明すると思うと、非常に楽しみですね」

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