『ゴジラ-1.0』山﨑貴監督は「模型の国の住人」だった 改めて注目したい“模型の映画”への憧憬と余波
そんな「模型の国の住人」である山﨑監督の作品に対して、模型業界側からもたびたびアプローチが行なわれてきた。『永遠の0』公開時には模型メーカーのハセガワが映画のキービジュアルを使った限定パッケージの零戦のキットを発売。また厳密にはプラモデルではないが、フィギュアメーカーの海洋堂からは『海賊と呼ばれた男』に登場する日章丸の1/700ディスプレイモデルが発売されたこともあった。
そんな「模型の国の住人」であり、そして模型業界にもたびたびビジネスチャンスを生み出してきた山﨑監督が『ゴジラ-1.0』でアカデミー賞をとったことは、一人のプラモデル好きとして素直に嬉しい。模型にインスピレーションを受けつつ立体と平面を行き来しながら映画を作ってきた山﨑監督の受賞は、日本模型業界の勝利……とまでは言えないものの、多少はプラモデルの後押しあってのものだろうからだ。同じ模型の国の住人である自分としては、この受賞によって少しはプラモデルという遊びに異なる方向から光があたればいいなと、しみじみ思うのである。