実写ドラマ続編決定の『沈黙の艦隊』 もう一人の主人公・深町洋、漫画版とのキャラクター性の違いを考察

荒っぽさが消えたのは中身だけではなく、見た目にも……

 漫画版の深町は、とにかく見た目がゴツい。どっしりとした風貌からは“頼れる艦長”のオーラが溢れており、見た目からしてリーダーと認識できるほどの分かりやすさだ。

 一方で、玉木宏氏演じる実写版では大柄なTHE・男キャラからスマートな印象へと変化。体格のゴツさがなくなると粗暴な雰囲気ではなくなるため、深町が真面目キャラになっても。自然と受け入れられるから不思議なものである。

 海江田を演じる大沢たかおと並んだ絵面も良く、王者の風格を纏った海江田と、心に炎を燃やしながらひたむきに立ち向かう深町の対立がとても分かりやすい。余計なセリフで飾らなくとも2人がいるだけで場がピリッとするような空気が漂う。原作版と見た目がちょっと違っても「これはこれでいいよね」と思えるほどビジュアルの完成度が高いと言えよう。

 余談だが、「たつなみ」屈指のソナーマン・南波も原作より見た目がキレイめになった。全体的にどのキャラも暑苦しさが消え、女性が観てもあまり違和感がないように工夫がされている。きっとこういった部分も現代に合わせたのだろう。制作陣のこだわりがキラリと光る部分だ。

第二の主人公深町洋、次回エピソードでの活躍に期待

 『沈黙の艦隊』においての主人公は海江田だが、深町も物語には欠かせない存在。登場人物は多いけれど、第二の主人公は間違いなく彼。設定等の変更があると「次回エピソードでは原作と異なる活躍をしてくれるのでは……?」と、つい期待が高まってしまう。

 ドラマ版から本作に触れた人は、ぜひ原作も読んでみよう。それぞれの違いを知れば、より世界観の深さを味わえるはずだ。

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